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京都の米菓メーカーが破産、負債5億50百万円

 【㈱帝国データバンク発】京都の米菓メーカー㈱吉川商店(京都市、吉川嘉通代表)が3月10日までに事業を停止、事後処理を弁護士に一任し、自己破産申請の準備に入っていたことが判明した。資本金1,000万円、負債は約5億50百万円。
 同社は、昭和21年(1946)6月創業、昭和26年(1951)10月法人改組の米菓メーカー。「観月あられ」のブランド名で、あられや煎餅、ポン菓子といった米菓を製造・販売していた。煎餅は醤油味やカレー味、ごま煎餅などを扱い、ポン菓子は「ポン大将」「お米どす」の商品名で販売していた。大手スーパーマーケットのほか菓子卸売業者などに販売するほか、自社直営所で小売も行っていた。昭和51年(1976)には九州出張所を開設し、九州地方での販売も開始。平成元年(1989)には、アメリカやヨーロッパ、中近東、台湾などへ輸出を開始し業容を拡大、平成5年(1993)9月期には年売上高およそ11億80百万円を計上していた。
 しかし、大手同業者との競合激化や消費者の嗜好変化に伴って受注量は減少基調をたどり、工場や社有不動産(マンション)建設に伴う設備投資負担などもあって収益性は低迷していた。平成24年(2012)夏には、あられ製造と輸出事業を終了するとともに九州出張所を閉鎖するなどして収益性改善に努めていたものの、同業者との競合は激しく、赤字が常態化していた。金融機関から借入金の返済猶予を受けるなどして業績改善に努めていたなか、令和2年(2020)以降は新型コロナの影響から年商は約1億円に減少。近年は材料価格やエネルギー価格の高騰などで収益性がさらに悪化、資金繰りが限界に達し、事業の継続を断念した。

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