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試験研究

農研機構ら水稲難防除雑草の「効果的な防除技術」開発

 農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)、千葉県農林総合研究センター、神奈川県農業技術センターは2月5日、水稲の難防除雑草の一つであるナガエツルノゲイトウの「効果的な防除技術」を開発したと発表した。この技術を2年間継続すると、ナガエツルノゲイトウが蔓延した水田であっても(水稲が)栄養繁殖し、またナガエツルノゲイトウが越冬する地下部まで防除できるという。具体的な防除方法は以下の通り。
 ①水稲移植(田植)後に「ピラクロニル」を含む除草剤を施薬
 ②ナガエツルノゲイトウ再生始期~草丈5㎝(水稲移植から約20日後)の時期に、「フロルピラウキシフェンベンジル」を含む除草剤を施薬
 ③生育期(ナガエツルノゲイトウ草丈35㎝以下、水稲移植から約40日後)の時期に、「フロルピラウキシフェンベンジル」を含む除草剤を施薬

 ナガエツルノゲイトウ(長柄蔓野鶏頭)は、繁殖力・拡散力が高く、生態系や農業に悪影響を及ぼす恐れがあることから、平成17年(2005)外来生物法の施行と同時に「特定外来生物」に指定された。水草で河川や池で大群落となり、水面をマット状に覆う。茎は千切れやすく、節や根から活発に再生。水陸両生なので、畔や畑地にも侵入。耐塩性も高い。関東以西の河川、水路、水田、畦畔などに侵入が相次いでいる。被害例としては、水路を閉塞するため取水・排水の障害になるほか、除草剤が効きにくいため繁茂すれば収穫不能に陥ることも。これまで水田における有効な防除技術は、開発されていなかった。

繁茂したナガエツルノゲイトウ
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