米油メーカーの築野食品工業㈱(和歌山県かつらぎ町)は2月10日、米糠由来成分のおにぎりへの添加を提案した。月刊フードケミカル1月号に寄稿したもの。
「当社が製造販売している米糠製品は、全て米由来であることから白米との相性が良く、おにぎりに添加することで、さらなる機能性やおいしさを提案可能だと考えた」という。添加を提案した「特におにぎりとの相性が良いと考えられる」米糠由来成分は、「イノシトール」と「RICEO-EX」。
イノシトール 糖アルコールの一種であるイノシトールは、機能性素材として、「ヒト真皮細胞におけるヒアルロン酸、Ⅲ型コラーゲン産生促進効果」、「マウスレベルでの抗脂肪肝作用、脂質代謝異常症、心臓病や糖尿病の改善効果」などが認められている。ヒト以外の哺乳動物においても欠かせない成長物質であることも知られている。イノシトールは甘味を有することから、甘辛く味付けされた昆布や牛肉といった、おにぎりの具材への添加が提案可能だと考えられる。

RICEO-EX 水溶性米糠エキス粉末であるRICEO-EXは現在、食後血中中性脂肪、血糖値上昇抑制作用血糖などが明らかになりつつある。RICEO-EXを添加したおにぎりの食味試験において、旨味と香りの強さが有意に増加し、全般的なおいしさにおいても増加傾向を示した。そのためRICEO-EXをおにぎりに添加することで、玄米由来の旨味や香りの強さといった食味効果を付与することが可能。さらに添加量によっては健康機能性の付与も期待できるため、味、機能性を両立させた健康系おにぎりの提案が可能だと考えられる。
