食酢の製造販売を手がけるマルカン酢㈱(兵庫県神戸市)は3月1日、新商品「丹波篠山純米酢」を発売する。360ml、参考小売価格580円(税抜)。原材料、素材、製法、味にこだわり、地元の協力を得て作りあげたもので、慶安2年(1649)創業の伝統を象徴する「フラッグシップ商品」と位置づけた。初年度は関西地区の一部量販店と自社通販サイトの限定販売で、500ケースを用意。令和8年度(2026)から全国販売する予定。
原料は兵庫コシヒカリ。地元・兵庫県丹波篠山市の丹波たぶち農場に依頼、農薬・化学肥料ともに5割以下に抑えた特別栽培米で、マルカン酢初の試みとして、搾酢後の酢粕を施肥の一部に採用している。
精米歩合は五分搗き(95%精白)で、仕込みは三段仕込み後に再び米麹を加える「全麹の四段仕込み」。仕込む際の水は、丹波篠山の伏流水を採用。
「静置発酵」は、仕込み液を入れた発酵槽に別の発酵槽から掬いとった菌膜を移植、液の表面が綺麗な縮緬状の菌膜で覆われるのを待ち、その状態を静かに保ったまま1か月かけてじっくり酢へと生まれ変わらせる製法。電気を使わず自然の力だけで発酵させる伝統的製法を貫いている。
