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【iNSIGHT飯稲米】令和7年産コシ店頭価格4,188円スタートか

 今年穫れる令和7年産米の価格が、もはや下がらない背景を示す続報。5月12日までに、福井の越前たけふ農協と島根県農協が前年比+25.0~27.9%の一次集荷価格を示した。現段階ではかなり早い〝皮算用〟になってしまうが、これをそのまま単純に当てはめると、都内のコシヒカリ店頭価格は5㎏3,942~4,434円(単純平均で4,188円)、今年2~3月の水準になる勘定となってしまう。

 農協の一次集荷価格にあたる概算金あるいは仮渡金は、手数料や経費を上乗せして相対価格を決めることから、〝岩盤〟と称される。実際の集荷価格は、県下各単協が上乗せしてくるのは目に見えているので、これより高い水準となる可能性が高い。
 例年なら出来秋に示す概算金/仮渡金を、半年以上前倒しして示し始めているのが今年の特徴だ。いずれも前年産の集荷競争に「負けた」反省から、早めに「最低保証価格」を示した点が共通している。時系列で示すと右表の通り。

R7最低保証価格前年比
全農新潟県本部(2/28)
新潟一般コシヒカリ23,000円+4,500円
新潟岩船コシヒカリ23,000円+4,200円
新潟佐渡コシヒカリ23,000円+4,200円
新潟魚沼コシヒカリ25,000円+4,000円
新潟こしいぶき20,000円+4,000円
新潟新之助24,000円+4,500円
福井県農協(4/23)
福井コシヒカリ22,000円+4,800円
大分県農協(4/30)
大分ヒノヒカリ23,000円+4,520円
越前たけふ農協(福井、5/9)
福井コシヒカリ22,000円+4,800円
島根県農協(5/9)
島根コシヒカリ21,000円+4,200円
島根きぬむすめ21,000円+4,400円
島根つや姫22,000円+4,600円
※さらに香川県農協が5月12日、出荷契約通りに出荷した農家に対し、60㎏あたり500円を上乗せすることを公言している。

 今の令和6年産の高騰米価を形づくった最初のきっかけが去年の概算金/仮渡金だから、これを上回る最低保証価格を決めたということは、もはや令和7年産米の価格が下がることはなくなったことになる。
 上表の上げ幅を丸めると、前年同期より20~35%高い水準となる。試みに、この上げ幅を昨年9月の総務省・小売物価統計(東京23区、コシヒカリ5㎏あたり)に単純に当てはめると、3,942~4,434円、今年2~3月の水準になる勘定だ。今年4月で4,770円だから、政府備蓄米放出によって多少は下がることもあり得るだろうが、令和7年産米が出回るようになれば再び高め価格でのリスタートとなることが確定的になったと言える。

《既報》

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