4/28~5/4の量販店頭米価(POS)が前週比ようやく下落したこと(既報)を受けて、江藤拓農相は5月13日、「一つの変化だから、歓迎したいと思う」としながらも、「消費者の方々が評価する水準ではない」として、「まだまだこれからだと思っている」と指摘した。閣議後定例会見で述べたもの。
一問一答(5月13日、閣議後定例会見から抜粋)
記者 スーパーでの米の平均販売価格が18週ぶりに下落に転じました。こちらの受け止めと、そういった状況を踏まえて、第4回目の備蓄米の入札検討状況について、量や条件緩和、時期などはどのような方針で検討しておりますでしょうか。
大臣 4月28日から5月4日までのPOSにつきましては、報道のとおり19円下がりました。一つの変化でありますから、歓迎したいと思いますが、しかし、消費者の方々が大いに評価するような水準ではないと思いますので、まだまだこれからだと思っています。大体4月初めから販売が始まっている備蓄米につきましては、5月8日(の時点で)、全農は、19万9千t全量のうちの販売先全量の契約自体は完了しました。このうち6万3千tが、出荷済みということです。こういったものがだんだんスーパーの店頭に並んでくるということになると思います。安いもので3,000円を切るものもありますし、だいたい3,000円前後、3,500円とか地域によって差がありますが、そういうことでありますので、これからさらに加速化させていきたいと思っております。
今後の第4回目につきましては、まだ今日の段階で発表するようなことはありませんが、1回、2回、3回と行って、現状を踏まえて、できることは何があるのかということは、毎日のように省内で検討しています。いずれ、次の閣議後会見になるかどうか分かりませんが、方針が決まったらしっかり発表したいと思います。
記者 JA(農協)などの集荷業者が、今年の新米の概算金を引き上げる動きが相次いでいます。概算金を引き上げるというが、米の価格に影響するのではないかという見方もありますけれども、大臣の考えをお願いします。
大臣 全体が出ておりません。高いところ、魚沼とか、そういうところは大変高い水準の概算金を出している。これは生産者にとっては、生産意欲を維持する上で有効なことでありますから、歓迎すべきことだと思います。特に農協系のものについては、概算金と精算金の2段階で農家の手取りは確定するわけですが、(概算金が)あまり高いと、精算金がないということになるのかもしれません。おっしゃっている意味はよくわかります。あまり高い水準であると先高観も出てくるのではないか。それはそれぞれのJAでご判断されることであるので、私の方でどうすべきだと申し上げることは不適切だと思います。
もうひとつ申し上げておきたいのは、例えば、お酒の好適酒米(酒造好適米)の調達がどうなっているのか、お菓子、味噌、醤油、そういう加工用のお米の契約はどうなっているのか、そういったことについても、幅広く目配りしないといけません。概算金について、私が高すぎるとか安すぎるとか言うのは適切ではありませんけれども、それによって、(令和)7年度の市場に出回る米価の値段には当然影響が出てくる。それが一つの目安になるということは、ご指摘のとおりだと思います。