財務省が5月29日に公表した輸入通関実績によると、外国産米輸入量の急増が4月も一段と続いていたことが分かった。日本の米の場合、高い輸入関税率が設定されているため、国家貿易で入ってくるものを除けば、ほんの少量しか入って来ないのが通例だった。ところが国産米価格が高騰したことで、高い関税を払っても外国産米を仕入れたほうが安くあがる――そう算段した業者が複数いた模様で、4月の外国産米(枠外)輸入量は、6,838t、8億8,890万円に及んだ。大した量ではないように見えるし、農林水産省は「ごくわずか」と表現している(3月26日の審議会に提出した資料)。だが前月比だと数量+434.2%、金額+342.7%、4~5倍に急増しており、前年同月比だと数量+52500.0%、金額+36555.5%、400~500倍超にあたる。
精米の枠外輸入量(4月)
\ | 数量 | 金額 |
---|---|---|
韓国 | 12t | 183万5千円 |
中国 | 100t | 1,232万5千円 |
台湾 | 126t | 3,408万7千円 |
ベトナム | 243t | 3,198万4千円 |
タイ | 387t | 3,671万3千円 |
ミャンマー | 26t | 428万3千円 |
インド | 396t | 6,928万2千円 |
パキスタン | 26t | 519万6千円 |
スリランカ | 18t | 102万2千円 |
フランス | 0t | 32万8千円 |
イタリア | 1t | 109万4千円 |
アメリカ | 5,499t | 6億8,902万3千円 |
オースト ラリア | 4t | 172万4千円 |
合計 | 6,838t | 8億8,889万6千円 |
単純計算ではあるが、輸入額に関税(㎏341円)を上乗せすると、㎏471円で仕入れることが出来る水準だ。また一口に外国産米といっても、例えばアメリカ、オーストラリア、中国の一部では、コシヒカリ、あきたこまちが作付けられている。もちろん原産国表示は義務づけられているから、外国産米であっても値段さえ安ければ気にしないニーズが高まるようなら、今後、全体需給に影響してくる可能性も否定できない。
