【㈱帝国データバンク発】福島の米穀販売業者である福島食粉㈱(福島市、亀岡英巳代表)が7月1日までに事業を停止し、同日付で事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入っていたことが判明した。資本金1,000万円、負債は約11億円。
同社は昭和36年(1961)、小麦粉や雑穀の卸売を目的として設立された。福島県内の製麺工場や小売店に小麦粉の卸売を手がけていたが、消費低迷による販売量の減少から平成21年(2009)に別会社に事業を譲渡。東日本大震災の影響もあり平成23年(2011)に休眠状態となった。その後再開し、平成25年(2013)から精米の卸売を手がけ、北海道から関東の量販店や商社向けに福島県産を中心とした東北各県産の精米を販売するほか、需要に応じて玄米も販売。新型コロナの影響から飲食店や旅館向けの販売が低迷していた一方、巣ごもり需要を背景にスーパーマーケット向けの販売が好調に推移し、近年は年売上高およそ20億円を計上していた。
しかし、近時の米価高騰により令和6年(2024)5月期の年売上高は約24億8,700万円を計上していたものの、価格転嫁が追い付かず、営業段階から約3億2,500万円の赤字を計上、大幅な債務超過に転落していた。こうしたなか、関係省庁から資金使途に関する指摘および指導がなされたことで資金繰りが逼迫し、先行きの見通しが立たないことから事業の継続を断念した。
福島の米穀販売業者が破産、負債11億円
