(公社)日本農業法人協会(東京都千代田区)はこのほど、「コメ流通に係る会員アンケート」結果を公表した(7月15日付)。それによると、メインの販売先は3割超を占めた「卸売業者」がトップで、農協など集荷業者を通さなければ、消費者に届くまで1~2社程度が介在するに過ぎず、意外なほど簡素化している流通段階が明らかになった。
調査は7月1~8日、1,833会員のうち主業種が稲作の生産法人506を対象にwebで実施したもの。有効回答は126で、回収率25%。稲作を営む会員法人の平均耕地面積は66.8ha。

メインの販売先は、①「卸売業者」(31.5%)、②「農協系統」(23.1%)、③「農協以外の集出荷団体」(17.6%)が三大巨頭となった。小売や実需をメインにしている農業生産法人は1ケタにとどまり、消費者直売も13.9%にとどまった。
「消費者に届くまでに何社が介在するか」訊くと、バラつきはあるものの「0社」から「1社」が大勢を占め、あっても「3社」。誰かが指摘した「5次卸」との事例は確認できなかった。ただし、「農協系統」と「農協以外の集出荷団体」に販売した場合は、「分からない」が圧倒的な最多となっており、こちらのほうがむしろ問題視されるべきかもしれない。

メインの取引先を選んだ基準(複数回答)は、①「取引先が安定しているため」(37.3%)、②「従来からの長期取引のため」(31.0%)、③「取引価格が高いため」(27.0%)の順となった。
今後増加させたい販売経路は、「個人消費者」(31.7%)がトップで、かなり水をあけて「卸売業者」(19.0%)が2位。増やしたい理由(複数回答)は、①「取引価格を安定させたい」(47.4%)、②「取引価格を高くしたい」(38.6%)が二大理由となっている。
つまりリスク分散のためにも販売先の数は増やしたいが、前提条件は〝安心感〟ということになるか。
