財務省が7月30日に公表した輸入通関実績によると、外国産米輸入量の急増が6月も一段と続き、数量ベースで2万t台に達していたことが分かった。日本の米の場合、高い輸入関税(㎏341円)が設定されているため、国家貿易で入ってくるものを除けば、ほんの少量しか入って来ないのが通例だった。ところが国産米価格が高騰したことで、高い関税を払っても外国産米を仕入れたほうが安くあがる――そう算段した業者が複数いた模様で、6月の外国産米(枠外)輸入量は、2万0,979t、269億6,226万円に及んだ。いよいよ全体需給に影響しかねないボリュームに至ってきた。前月比だと数量97.7%、金額98.1%の2倍弱で、前年同月比だと数量で360倍超、金額でも200倍超となった。
単純計算ではあるが、輸入額に関税(㎏341円)を上乗せすると、㎏470円で仕入れることが出来る水準だ。また一口に外国産米といっても、例えばアメリカ、オーストラリア、中国の一部では、コシヒカリ、あきたこまちが作付けられている。もちろん原産国表示は義務づけられているから、外国産米であっても値段さえ安ければ気にしないニーズが高まるようなら、今後、全体需給に影響してくる可能性は十分あり得る。
精米の枠外輸入量(6月)
\ | 数量 | 金額 |
---|---|---|
韓国 | 242t | 5,746万9千円 |
中国 | 112t | 1,685万6千円 |
台湾 | 3,387t | 1億2,319万7千円 |
ベトナム | 453t | 5,432万1千円 |
タイ | 448t | 4,070万7千円 |
ミャンマー | 25t | 378万7千円 |
インド | 194t | 3,767万5千円 |
パキスタン | 65t | 1,305万8千円 |
スリランカ | 85t | 1,145万1千円 |
バングラ デシュ | 23t | 477万9千円 |
アメリカ | 1万5,945t | 19億3,230万5千円 |
合計 | 2万0,979t | 26億9,622万6千円 |
