農協の全国指導機関、全中(《一社》全国農業協同組合中央会、東京都千代田区)は8月21日の総会で、空席となっていた専務理事に秋吉亮参事を選任した。秋吉氏は元農林中金(農林中央金庫、東京都千代田区)理事兼常務執行役員で、今年4月から全中参事を務めていた。全中の専務理事職は、今年3月に馬場利彦前専務理事が退任して以降、空席となっていた。
発端となったのは、全中が昨年1月に稼働を開始した業務管理システム「新コンパス-JAシステム」。全国の農協に利用してもらう目的だったが、開発費が想定を大幅に上回り、利用料上昇が避けられなくなったため、使用停止を決めた。この引責で今年3月、業務全般を統括していた馬場利彦専務理事と、システムを担当していた山田秀顕常務理事が退任(ただし全中自身は退任理由を『一身上の都合』としている)。山野徹代表理事会長も来年3月をもって退任を表明している。