おこめ業界用語(リンク)
需給

7月の外米輸入、前月比+2割の30億円超

 財務省が8月28日に公表した輸入通関実績によると、外国産米輸入量の急増が7月も一段と続き、金額ベースで30億円超に達していたことが分かった。日本の米の場合、高い輸入関税(㎏341円)が設定されているため、国家貿易で入ってくるものを除けば、ほんの少量しか入って来ないのが通例だった。ところが国産米価格が高騰したことで、高い関税を払っても外国産米を仕入れたほうが安くあがる――そう算段した業者が複数いた模様で、7月の外国産米(枠外)輸入量は、2万6,445t、33億5,453万円に及んだ。いよいよ全体需給に影響しかねないボリュームに至ってきた。前月比だと数量+26.1%、金額+24.4%で、ここまで倍々ゲームできた勢いからすると若干鈍った恰好だ。それでも前年同月比だと数量で200倍超、金額でも160倍超となった。

精米の枠外輸入量(7月)

数量金額
韓国39t1,046万1千円
台湾1,207t2億0,446万0千円
ベトナム879t1億1,360万7千円
タイ772t8,588万8千円
ミャンマー82t1,086万8千円
インド325t5,798万1千円
パキスタン21t274万8千円
スリランカ29t192万5千円
バングラデシュ9t213万1千円
スペイン0t25万5千円
イタリア2t430万4千円
アメリカ2万2,983t28億4,806万6千円
オーストラリア1t66万3千円
合計2万6,349t33億4,335万7千円

 単純計算ではあるが、輸入額に関税(㎏341円)を上乗せすると、㎏468円で仕入れることが出来る水準だ。また一口に外国産米といっても、例えばアメリカ、オーストラリア、中国の一部では、コシヒカリ、あきたこまちが作付けられている。もちろん原産国表示は義務づけられているから、外国産米であっても値段さえ安ければ気にしないニーズが高まるようなら、今後、全体需給に影響してくる可能性は十分あり得る。

タイトルとURLをコピーしました