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外国産米の調達価格、潮目変わって令和7年度スタート

 政府による外国産米の調達価格が、アメリカ産、タイ産とも、令和7年度(2025)に入って〝潮目が変わった〟ことが明らかになった。農林水産省の8月29日発表によるもの。
 我が国は米に高い関税をかけている代わり、国際協定で年間76万7千tの輸入義務が課せられている。実際の調達から輸送を担う商社を、農水省は入札(MA一般米入札)で選定する。この入札結果の発表から、外国産米の調達価格を算出できる。
 それによると調達価格(加重平均)を60㎏あたりに単純換算すると、アメリカ産は令和6年度(2024)、第6回入札(昨年11月15日実施、11月21契約)の8,448円をピークに、なだらかな下落基調で進み、第10回入札(2月21日実施、3月3日契約)7,554円で終えた。これが3か月あけて令和7年度に入ると、事態は一変。第1回(6月30日実施、7月4日契約)7,810円、第2回(7月11日実施、7月15日契約)7,949円、第3回(7月25日実施、7月30日契約)8,065円と、上げ基調で始まっている。
 一方、タイ産は令和6年度、第1回入札(昨年7月5日実施、7月16日契約)の5,963円をピークに下落基調で進んだものの、最終・第11回入札(3月14日実施、3月19日契約)に大きめに反発、4,645円で終えた。これが令和7年度に入ると事態が一変したものの、アメリカ産とは全く異なる様相を示した。第1回入札3,766円、第2回入札4,384円、第3回入札3,813円。上がって下がったものの、いずれも前年度の最安値を下回る水準でのこと。低米価である点が特徴的だ。
 それでも国産に比べれば、アメリカ産で3分の1、タイ産で6分の1の水準。ただし輸入した外国産米は、一部を除いて主食用としては国内に出回らない取り決めになっている。国内の販売先は、加工原材料用や飼料用に限られる。

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