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広島の米穀販売業者に特別清算命令、負債10億弱

 【㈱帝国データバンク発】広島の米穀販売業者だった広島県東部食糧㈱(尾道市、槇本茂良代表清算人)が8月15日、広島地裁尾道支部から特別清算開始命令を受けていたことが判明した。資本金9,480万6000円、負債は令和6年(2024)3月期末時点で約9億8,000万円。
 同社は調和25年(1950)9月、「備後食糧協同組合」として設立の食品卸売業者。広島県東部や岡山県西部をエリアとし、米穀類を主体に、食用油や調味料、飲料水など各種食品のほか、LPガス、灯油など幅広く扱っていた。食品の小売業者やメーカーを主な得意先として事業規模を拡大し、昭和55年(1980)3月期には年売上高およそ180億8,400万円を計上していた。
 しかし、新食糧法の施行などで近年は米穀類の流通経路が大きく変化するなか、中核組合員であった主力先の解散や脱退により業況が悪化。従業員の削減や社有不動産の売却により経営再建を図っていた。扱い商品の充実も図って取引量の確保に努めていたが、令和2年(2020)3月期決算において、過去5年間にわたる棚卸資産の水増しによる不正経理が発覚し、対外信用が失墜していた。以降、コンプライアンス重視の経営に努めていたものの、令和4年(2022)3月期の年売上高は約17億9,200万円に落ち込み、赤字計上を繰り返して債務超過が続いていた。事業環境はより厳しさを増して事業の継続を断念。令和6年(2024)2月に協同組合から株式会社へ組織変更した後、令和7年(2025)3月31日、株主総会の決議により解散していた。

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