農林水産省は9月10日、令和7年(2025)10月期(令和7年10月~令和8年3月)輸入小麦の政府売渡価格を、5銘柄平均で前期比▲4.0%のtあたり6万1,010円円に決定したと発表した。下落は5期連続で、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受ける直前、令和3年(2021)10月期(6万1,820円)を下回る水準まで戻したことになる。パンや麺など2次加工製品の値下がりに繋がるものの、ある程度の水準までにとどまる見込み。ただし〝ライバル〟の米の価格が高騰している折、価格に反映されれば需要の移動に直結するものとみられる。通常、2次加工製品の価格に反映されるまで4か月ほどかかる。
日本の麦の自給率は15%程度で、大半を輸入に頼っている。このため輸入小麦は国家貿易となっており、今回決めた価格で製粉業者に売り渡し、ここから確保した小麦粉を原料に2次加工メーカーがパンや麺などの製品にして供給する流れ。
調達相手国はアメリカ、カナダ、オーストラリアの3か国にほぼ限られており、これらから輸入する5銘柄の平均輸入価格が目安になる。
銘柄 | 主な 2次加工用途 | 過去 5か年 平均の 輸入数量 |
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1CW(カナダ産ウェスタン・レッドスプリング) | パン | 150万t |
DNS(アメリカ産ダーク・ノーザン・スプリング) | パン、中華麺 | 72万t |
HRW(アメリカ産ハード・レッド・ウィンター) | パン、中華麺 | 78万t |
ASW(オーストラリア産スタンダード・ホワイト) | 日本麺 | 71万t |
WW(アメリカ産ウェスタン・ホワイト) | 菓子 | 57万t |
