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相場調査統計

7月カレーライス物価が続落、ピーク越えか

 7月の「カレーライス物価」が続落した。
 帝国データバンクが9月10日に公表した今年7月の「カレーライス物価」は1食438円(前月比▲2円)となった。「銘柄米を中心に米価の急激な上昇ペースが一服したほか、ニンジンなど野菜類の価格も落ち着いたことが要因」としている。前年同月比プラス記録は26か月連続に延ばしたものの、+96円(+28.1%)と、5か月ぶりに上昇幅が100円を下回った。また8月の予測では1食437円となることから、「令和6年(2024)以降続いた急激な値上がり局面は一旦ピークを越えたとみられる」としている。

 「カレーライス物価」は、総務省の小売物価統計調査結果から、カレーの調理に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)にまとめた「カレーライス1食あたりのトータルコスト」を示すもの。内訳として「カレー具材(肉・野菜)」214円(前月比▲5円)は、5か月ぶりに前月を下回った。「ジャガイモ・ニンジン・タマネギのいずれも価格が安値に転じたほか、輸入牛肉の価格上昇が落ち着いたことも背景に、価格面で一服感が強まった」としている。「ごはん(ライス)」195円(+3円)は、6か月ぶりに上昇幅が5円以内におさまった。

 「カレーライス物価」は、総務省の小売物価統計調査結果から、カレーの調理に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)にまとめた「カレーライス1食あたりのトータルコスト」を示すもの。内訳として「カレー具材(肉・野菜)」210円(前月比▲1円)は、2か月連続で前月を下回った。「タマネギをはじめ、野菜類の生育が総じて順調で、平年並みの価格に落ち着いた」としている。「ごはん(ライス)」196円(+1円)は、直近1年で上昇幅が最小となった。
 このカレーライス物価を基に、令和2年(2020)平均を100とした帝国データバンク独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、7月は「159.9」。こちらも前月比▲0.8%、前年同月比+28.1%で、前年同月比プラス記録を26か月連続に伸ばしたものの、伸び率は2か月連続で前月から縮小している。

 総務省の小売物価統計は、毎月1回、全国都市別の公表が基本だが、その約1週間前に、東京都区部のみ先行して公表される。8月の小売物価統計(東京都区部のみ)はすでに公表されている(既報)ことから、帝国データバンクは8月の「カレーライス物価」を予想している。それによると「1食437円前後と、3か月連続で低下する可能性がある」とした。「主な上昇要因となる米価格が、備蓄米の放出を背景に銘柄米で上昇ペースが鈍化した影響が大きく、カレーライス物価を構成する野菜類(ニンジン・ジャガイモ・タマネギ)の価格は、高温や少雨による生育不良を背景に横這い~高値での推移が見込まれ、大幅な値下がり局面は期待できない状況が続く。
 さらに先の予測では、「急激な値上がり局面はいったんピークを越えたとみられる」とみている。ただし、「早場米を中心に高値取引が続く令和7年産米の動向、各種野菜類の生育状況などに左右されながら、再び急激な値上がり局面を迎える可能性もある」との不安材料も。

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