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需給

外国産米の枠外輸入8月激減も依然高水準、累計8万t超

 財務省が9月26日に公表した輸入通関実績によると、8月の外国産米輸入量が激減したものの、依然として前年同月の200倍超を維持しており、令和7年(2025)累計8万tを超えたことが明らかになった。8月の外国産米(枠外)輸入量は、1万5,169t(前月比▲42.6%、前年同月比+23601.6%)、19億5,254万円(前月比▲41.8%、前年同月比+18201.0%)。

精米の枠外輸入量(8月)

数量金額
韓国52t1,344万9千円
台湾142t6,031万5千円
ベトナム1,029t1億3,198万8千円
タイ577t6,154万8千円
ミャンマー56t693万4千円
インド274t4,467万3千円
スリランカ86t1,213万4千円
アメリカ1万2,951t16億2,071万5千円
合計1万5,167t19億5,175万6千円

 日本の米の場合、高い輸入関税(㎏341円)が設定されているため、国家貿易で入ってくるものを除けば、ほんの少量しか入って来ないのが通例だった。ところが国産米価格が高騰したことで、高い関税を払っても外国産米を仕入れたほうが安くあがる――そう算段した業者が複数いた模様で、今年に入ってから倍々ゲームで枠外輸入量が急増してきた。輸入は船舶輸送が一般的なため、契約から着港まで2~3か月のタイムラグがある。ということは8月の輸入量激減は、随意契約による「安い」政府備蓄米の放出によって、「枠外輸入米では割に合わない」と勘定した結果とみられる。
 単純計算ではあるが、輸入額に関税(㎏341円)を上乗せすると、㎏470円で仕入れることが出来る水準だ。随契米が払底し「高い」新米に切り替わり始めている今から、タイムラグを考慮すると、10~11月の枠外輸入が再び急増する可能性が高い。枠外輸入量は、令和7年(2025)の8月累計で8万2,223t。無関税の主食用米義務輸入枠は年間10万tだから、これを超えるのは確実だ。

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