農林水産省は9月29日、米の作況指数に代わる新たな豊凶指標の名称を「作況単数指数」に決めた。同日、総務省の統計委員会から了承を得たもの。「作況単数指数」を含む令和7年産水稲の9月25日現在作柄は、10月中旬頃の公表を予定している。
説明によると命名の狙いは、「収穫量全体ではなく、単位面積(10a)当たりの比較(単収の比較)であることをより明確化する」「作況指数に替わる出来・不出来についての新たな指標であることが分かることにする」観点から、と説明している。
作況指数は、平年単収(10aあたり収量)を「100」とした場合の当年産米の実単収の割合のこと。平年単収の算定にあたって「収穫量調査に基づいて過去30年間のトレンドを指数として出していることが、今の気候変動や現場実態と合わなくなっている」(小泉進次郎農相)ため、廃止を決めた。また単収を弾き出す際に採用する篩目幅も、現行の1.7㎜から都道府県ごとに異なる「農家等が使用する篩目幅」(1.8~2.0㎜)に変更した上で、公表は作付面積、単収、収穫量(それぞれ前年比のみ付随)にとどめることにしている。
新指標「作況単数指数」は、前年産までの単収(10aあたり収量)の5中3平均(過去5年のうち最高と最低を除く3年平均)で、単収に用いている篩目幅は一律1.7㎜ではなく、各都道府県ごと「農家等が使用する篩目幅」を採用する。試みにこれを令和6年産米に当てはめると、下表の通りとなる。北海道から関東にかけて軒並み下方修正することとなるものの、これで「実感作況」との差異が解消されるかどうかは依然不明だ。
