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主食用輸入米の第3回入札、売渡価格が枠外輸入を大きく上回る

 農林水産省は10月3日、主食用輸入米の第3回入札(WTO-SBS入札)を実施、提示2万t全量が落札された。このうち27.0%にあたる5,397tが一番人気アメリカ産うるち精米中粒種(『カルローズ』が主体とみられる)となった。ただし実落札数量としては大きく減少している。この原因は、国内への売渡価格が、枠外輸入価格を大きく上回ったためとみられる。

 SBSは、輸入してくる商社が売り渡す価格と、卸売業者が買い受ける価格を、ペアを組んで同時に応札する仕組み。国の側から言うと、商社から買い入れる価格と、卸に売り渡す価格、と表現できる。この買入価格と売渡価格との差益(マークアップ)が国の収入になり、このマークアップが大きい順に落札される。ただし非公表の予定価格が設定されており、買入価格の下限と売渡価格の上限の幅に、売り・買いともおさまっていることが前提だ。またマークアップにも㎏292円の上限がある。

 今回の落札結果では、一般米(丸米)枠の落札玉すべてのマークアップ平均が上限の㎏292円に張り付いた。この結果、一般米枠の平均落札価格は、買入(商社売り)㎏218.5円(前回比+72.4円)、売渡(卸購入)㎏510.5円(+88.3円)で、マークアップ㎏292.0円(+15.9円)。最新・8月の枠外輸入額を単純換算すると㎏470円で、国際輸入枠のほうが大きく上回ることとなった。

 WTO(世界貿易機関)協定によって日本に課されている無税の義務輸入枠、MA(ミニマム・アクセス)米は年間76万7千t。これらの大半は加工用や飼料用、あるいは援助用など、国内で消費する主食用としては仕向けられない。唯一主食用として輸入できる枠は年10万tだけで、SBS(売買同時入札方式)で輸入する。この年10万tを4回のSBS入札でこなす原則のため、1回あたりの提示数量(予定数量)は2万5,000tが通例だが、小泉進次郎農相の意向により、ここまで3回のSBS入札ですでに約8万t弱が落札され、残りは約2万tとなっている。

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