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栄典

象印炊飯ジャーらにグッドデザイン賞2025

 (公財)日本デザイン振興会(東京都港区)は10月15日、「グッドデザイン賞2025」を発表した。このうち象印マホービン㈱(大阪府大阪市)の「象印 炊飯ジャー NL-EAH10C.18C」「象印 炊飯ジャー NX-AA10.18」、Panasonic Appliances (China) Co.,Ltdの「IH Electronic Pressure Cooker」、ライクイット㈱(奈良県葛城市)の「蒸気であたためる冷凍ごはん容器」が輝いている。

象印マホービン㈱「象印 炊飯ジャー NL-EAH10C.18C」

 海外向けマイコン式炊飯ジャー。機能性とスタイリングを心地よく調和させ、グローバルに広く親しまれる製品を目指した。トップパネル採用による操作性の向上、蒸気口セット不要によるお手入れ性の向上を図った。たおやかな丸みのある造形で空間に穏やかに馴染み、おいしさややさしさを感じられる道具としての佇まいを目指した。

 《評価コメント》一般的な家庭において、炊飯器はしまわれずキッチンやダイニングの使い勝手の良い場所に置かれることが多い。道具として無くてはならないが控えめな佇まいは、そうした普通の生活に静かに調和するだろう。形状やディテールに丁寧に作り上げられたプロセスが見え、ベーシックながら良質で、機能や仕様とデザインに一貫性を感じる。図面から作られた工業製品というより、土から作られた食器などに通じる雰囲気を持っている。

象印マホービン㈱「象印 炊飯ジャー NX-AA10.18」

 圧力IH炊飯ジャーのフラグシップモデル。象印独自のIHコイルが生む「集中加熱」による炎舞炊きのご飯のおいしさをさらに進化。家庭用コンセントによる限界の1400Wで部分的に集中加熱することで、お米一粒一粒に伝わる熱を今までよりも強化しました。象印初のカラー液晶採用で、より直感的な操作を可能にします。

 《評価コメント》ブランドのフラッグシップモデルとして、製品群の造形イメージの踏襲をしながら正当で心地良いデザインの進化が実現されている。家電製品において液晶部の刷新は容易なことではないが、この製品に搭載されたブランド初のカラー液晶には、モノクロ液晶では叶わない操作のしやすさとほどよい楽しさがある。製品としての精度感、全体的な仕上がりに美しさを感じる。

Panasonic Appliances (China) Co.,Ltd
「IH Electronic Pressure Cooker」

 IH電子圧力鍋は、急速昇圧技術により米粒を均一に加熱し、ふっくらと弾力のあるご飯を炊き上げます。一度の炊飯でご飯2膳分とおかず2品分を簡単に調理できる2コンパートメント蒸し器。丈夫な「釜」をイメージしたフォルムは、どんなキッチンスペースにも溶け込み、エレガントさと機能性を兼ね備えた頼もしい相棒になります。

 《評価コメント》この炊飯器は、現地の食文化に適応した時短調理を実現する機能を持ちながら、日本製品で構築したデザインの言語、製品としてのクオリティの高さを継承し、妥協の無いものづくりを成し遂げている。日本モデルで実績のあるロック機構の確かな感触や、内釜の美しい仕上げ、スチーム調理用の内鍋の硬質感など、細部に至るまで徹底した品質へのこだわりが、製品の高い信頼感に繋がっている。国内外向けを問わず、デザイン性の高さ、品質ともに徹底してブランドの確立を目指す企業姿勢が高く評価された。

ライクイット㈱「蒸気であたためる冷凍ごはん容器」

 日本の食文化に根ざした「蒸し戻し」の発想から、冷凍ご飯を活用するために開発された保存容器。蒸気の循環を計算した形状よって炊き立てのようなふっくらとした仕上がりを実現。熱いご飯の扱いやすさ、お茶碗への盛り付けや蓋の開閉、未使用時の収納性にも配慮し、長く愛用できる道具としてデザインしました。

 《評価コメント》従来の二重構造の冷凍ご飯容器には見られなかった、保存容器に留まらない調理器としての細かな検討と工夫が随所に感じられるデザインである。円と四角のアウトラインを造形的特徴に留めることなく、機能的に活かしている点が高く評価された。二つのアウトラインによって生まれるギャップの中に、蒸気循環構造、熱くなりにくい持ち手、開け易い指掛かり、といった複数の機能が集約されている。 保存容器にあまり見られないカラーバリエーションや、容器底面にレンジ加熱時間の目安が記されている点など、使用者と使用環境への優しい配慮を感じられるデザインである。

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