農林水産省は10月31日、令和6年産米の生産費を公表した。いわゆる全算入生産費(資本利子・地代全額算入生産費)は、個別経営で10aあたり、60㎏あたり、ともに3年ぶりに圧縮できた。組織法人経営では、10aあたりが3年ぶり圧縮できた一方、60㎏あたりが反発、増嵩している。肥料代の2ケタ下落が奏功した。2年連続の増嵩が一服した恰好だ。
| 令和6年産米の全算入生産費 | ||||
|---|---|---|---|---|
| \ | 生産費 | 前年比 | ||
| 増減 | 増減率 | |||
| 個別経営 | 10a当り | 132,112円 | ▲751円 | ▲0.6% |
| 60㎏当り | 15,814円 | ▲134円 | ▲0.8% | |
| 組織法人 経営 | 10a当り | 97,057円 | ▲2,405円 | ▲2.4% |
| 60㎏当り | 12,090円 | +249円 | +2.1% | |

このうち個別経営の60㎏あたり生産費15,814円を作付面積規模別に細分化し、当時つまり令和6年産米の一次集荷価格(概算金)と比較した。それによると、平均であれば概算金収入で十分黒字になるものの、当然のことながら3.0ha未満の小規模だと赤字になってしまっていたことが判明した。生産費調査の集計客体数をそのまま当てはめると、過半数にあたる53.8%が赤字経営だったことになる。
だからといって令和7年産米の29,095円(本紙調べ)といった概算金が「適正水準か」と問われれば、それはまた別の話になる。

