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施策・政策

鈴木農相、米価の上げ下げ「市場原理で決まるものだから当然」

 鈴木憲和農相は11月11日の閣議後定例会見で、米価が上がるのであれ下がるのであれ、「市場原理で決まるものだから当然」との認識を示した。このなかで米価の変動を「ある種のシグナル」とした上で、これによって「生産現場の方々が来年の生産量を増やすか減らすかを判断いただける」としている。鈴木農相は米価が上がった場合に「おこめ券の配布などで対応する」との持論を展開してきているものの、下がった場合の対応には言及してきていない。普通に考えれば入札米の買戻しも含めた政府備蓄米の買入以外に引き上げ手段がないはずだが、その時期や規模に対するコメントを避けている。

一問一答(11月11日、閣議後定例会見から抜粋)

(略)

 記者 先週、参議院の代表質問がありまして、高市総理がカロリーベースの食料自給率について「100%を目指していきたいという強い思いがある」という趣旨の答弁をされています。ただ現状は38%、目標45%ということで、100%かなり現実味が乏しく、総理自身も課題が多いということは認めています。そもそも食料自給率というものを引き上げるということにこだわることで、生産コストの高い食料品が増えて、国民生活にはかえってマイナスになるのではないかという見方もあります。その中で大臣ご自身は、食料自給率についてどのようにお考えか、100%というのは実現可能でそもそも目指すべきなのかというのも含めてお考えをお聞かせください。

 大臣 先日(11月6日)の参議院本会議の場で、総理から食料自給率100%を達成するためには、現在の約3倍の農地が必要であるということなどを始めとして、課題が多いということをおっしゃっていただいた上で、まずは令和12年度(2030)に45%とする目標を設定し、最終的には100%を目指していきたいという強い思いを示されました。農林水産省といたしましても、食料自給率を向上させていく必要があるというふうに考えており、まずはこの食料・農業・農村基本計画で設定をさせていただいた、5年後の令和12年度(2030)に45%とする目標の達成に向けて、施策を講じていきたいというふうに考えております。そして私自身が、もう一つ重要なこの食料自給率ということについて指標だというふうに考えておりますのは「生産額ベースの自給率」というものも出しております。これが今、大体現状では61%(基本計画の基準年度=2023年度)ということになっておりますが、これの目標も69%(基本計画の目標年度=2030年度)ということで引き上げていくということになっております。こうした方向でやっていくことの先に、将来輸出も含めて食料自給率100%というものが達成をできるというふうに考えております。

 記者 先日の財政審での農林水産分野に対する指摘について、2点お伺いできればと思っています。まず1点目だったのですけれども、飼料用米について現在、水活での支援から畜産政策での支援に位置付けを見直すような提起がありましたが、これについて農林水産省としては、今後水田政策の見直しに向けて飼料用米の支援について、どのように位置付けていかれたいかお考えをお願いします。

 大臣 財政制度等審議会において、ご指摘のような問題提起がなされたということを、私自身もよく読まさせていただいて承知をしているところでありますが、公式には農林水産省として、そのことについてコメントするということは差し控えたいと思います。ただ今ご質問のありました、水活(水田活用の直接支払い交付金)における飼料用米の取扱いについては、令和9年度(2027)以降の水田政策において、作物ごとの生産性向上等への支援へと転換する、その検討の一環として、現場の実態の各種調査も踏まえて、幅広いご意見等を丁寧に伺った上で、議論を進めてまいりたいと思います。

 記者 もう1点、米の備蓄に関してだったのですけれども、財務省は民間備蓄の制度化に向けて20万tを民間で備蓄した場合に、財政負担が大幅に減るというような試算を示しましたが、これを受けて農水省としては、今後備蓄の制度の在り方について、どのように見直していかれたいかお考えをお願いします。

 大臣 備蓄の運営についてということでありますが、まず今後の備蓄運営については、今般の備蓄米の売渡しに時間を要した等の課題も踏まえて、機動性のある官民合わせた備蓄米の仕組みを含め、様々な方のご意見を伺いながら、これ今自民党の方でもご議論いただいておりますので、そうしたこともよく踏まえて、議論を進めてまいりたいと思いますし、同時に備蓄は様々な財政負担をもちろん伴って、これまでの運用されてまいりましたので、そうしたことも何がベストかということをよく考えて判断をしていきたいと思います。

 記者 政府の方で、新しい経済対策の中で、重点支援地方交付金を活用した食料品の高騰対策を検討していると存じておりますけれども、これに関して大臣、これまでお米券とかそういう形で言及をされていますが、農林水産省としてはどういう形の支援になるのが望ましいとお考えになるのか、農林水産省としてどのようなことを求めていきたいかお願いいたします。

 大臣 様々なこの件について報道がされていることは、私自身もよく認識をしています。足元の物価高に関しては、影響を受ける生活者に対し、地域の実情に合った的確な支援をお届けできるよう、重点支援地方交付金の拡充や推奨事業メニューに何を入れるかということについて、検討を今しているところであります。その上で、お米券について申し上げれば、必要な地域において、既に重点支援地方交付金で対応しているところもあることから、こうした地域を始め、この物価高対策の中で後押しできるように検討してまいりたいと思います。そして同時に、組閣の直後になりますけれども、総理の方からこの経済対策の指示をいただいて以来、我々としても今、なかなか食品の値上がりについて様々なご意見があるということに対して、我々は何をするのがベストかということについて、これはこの重点支援地方交付金を担当する部局とも議論を様々重ねております。

 記者 今おっしゃった推奨メニュー、検討中というふうにおっしゃいましたけれども、この交付金の性質上、自治体の方にどういうものを進めるかという裁量はあるかと思うのですが、今おっしゃいましたお米券の活用方法とか、農水省としてどのような形で、その推奨メニュー以外の形で、例えば何か働きかけをしていくとか、今お考えされているものがあればお願いいたします。

 大臣 基本的にはこの重点支援地方交付金、自治体の方でどういうメニューでやるかということについては、最終的には決めていただくというふうに思いますが、我々として、現状の食料品の値上がり、これはお米が特に目立っておりますけれども、それ以外についてもかなり上がってきておりますから、そうしたことに対してどういうやり方がいいのか、これは人口が大きな自治体と、本当に顔と顔の見える関係で役場の皆さんがやっていただける自治体とでは、また対応の方法なんかも当然異なってくるのは当然かと思いますので、そういう中で自治体の皆さんからの、例えばどうしたらいいんだろうかとか、これから様々なご相談もあろうかと思いますし、そういうことについてはしっかり応じていきたいと思います。

(略)

 記者 今日(11月)10日付で朝日新聞さんが出されている、米価格下落の見通しが強まっている、米穀機構が調査しているということで、備蓄米放出以来の指数ということで、価格が下がること自体が消費者にとっては、本当に願ってもないことだと思う一方で、新米が出回り米余りを懸念する流通業者の方から、年明けにも暴落するのではという懸念も出ていると。生産者側の気持ちということで大臣も何度か会見でも代弁されていますけれども、ここの米穀機構が調査し、価格の下落の見通しが強まっているという点に関しての受け止めをお願いします。

 大臣 昨日(11月10日)、米穀機構から公表された10月分の調査結果によりますと、これはまず、いずれも50を基準値とするものでありますが、現在の需給動向は、前月の指数が54、基準値よりもオーバーしていたという状況に対して、そこからマイナス12の42であります。そしてさらに向こう3か月の需給動向は、前月が指数45でありましたのが、マイナス10の35となっており、その調査結果を見れば、いずれも大きく減少しております。これはわかりやすく言いますと、取引関係者は、現状は需給が緩んでおり、向こう3か月もさらに需給が緩むと見ているということであります。需給が緩むというのは、その需要の方がなくて、供給の方がある種あるという状態だということであります。また米価水準については、現在は指数91と前月比で横ばいであり、引き続き高いとの見方であります。一方向こう3か月は、前月の指数57からマイナス18の39に大きく減少しており、今後価格が低下していくというふうに、その調査を見れば皆さんそのように感じているということかなというふうに思っております。私は前々から申し上げておりますが、価格については、まさにこのマーケットでしっかりと決まっていくというものであるというふうに考えておりますから、農林水産省としては、まずは需給の安定が来年に向かってしっかりと図られていくということを、需給見通しも含めて現場の皆さんと共有させていただいた上で、さらにこの価格の動向については、注視をしてまいりたいと思います。

 記者 生産者側に立てば、やはりあまり下がることへの懸念はあるものの、やはりお米券のことを含めて、有権者の目線では下がって欲しいという思いが強いとは思うのですけれども、大臣としては、価格についてはコメントを避けてはおりますが、市場の原理に沿って下がるのであれば、それはそれで一つの市場原理としてはあって当然だというふうなお考えということでよろしいですか。価格が下がっていくこと自体について。

 大臣 おっしゃるとおりです。まさにこれが価格というのが、一つの今度はその生産の現場の皆さんに対しても、一つのある種生産量を増やすか減らすかということについての一つの目安というか、ある種のシグナルだというふうに思いますので、そういう中で我々が出す需給見通しも含めて、総合的に現場の皆さんが来年の生産をどうしようかということについてご判断をいただけるというふうに思っています。

 記者 この間MA米のお話を聞かせていただいて、トランプさん・高市会談でいきなり75%増というニュースが飛び交ったのですけれども、あくまでもMA米の範囲内だいうことなのですが、今でも割合を見ますと45%、アメリカの飼料とかお米が全体の77万tのうちの45%を占めるということで、これ75%を目指すというのは、今のその45%から75%に増えるという理解でいいのか。そうなってきたときにやっぱりタイ米とか、日本用に向けてタイ米みたいなものを輸入しているということなのですけれども、こういった他の外国のお米の輸入が減ってしまうということは、他国に対しては結構大きな打撃だと思うのですが、その点は勝手に発表されたようだというような報道も出ているので、その辺はやっぱりアメリカのMA米の中で75%増というのは、他国に対しての影響は結構大きいのではないかと思うのですが、その点はいかがなのでしょうか。

 大臣 ご理解をいただきたいのは、MA米も我々これは国家として、関税を米について高く張る中で、MA(米)の受け入れというのを、昔これは合意をして、ある種義務的に輸入を一定量するということで決まっているものであります。その中で日米合意を踏まえて、今後様々取り組んでいくんだというふうには思いますが、ただ我々もMA米、輸入をした部分はしっかりとその後ずっと持っておくわけでは、毎年毎年輸入をせざるを得ないですから、何らかの用途に振り向けていくということをします。例えば、エサ用のお米として振り向けていく場合もあれば、おせんべい用になっていく場合もあれば、これ様々であります。我々として、そういったニーズがどこにあるかということも踏まえて、これからこの運用をしていく。その中で日米合意というのが、しっかりと履行できるようにさせていただきたいというふうに思っております。

 記者 全体の数量が同じだとすると、アメリカがぶんどってくる、言い方悪いのですけれども、他の国々への影響ということへの懸念はあると思うのですけれども、そこはどう調整されていくのでしょうか。

 大臣 これ今まさにトランプ大統領との間の合意に基づいて、様々な取組を始めたところでありますので、そうした状況を見ながら、他国とももし必要があればいろんな話し合いをしたいと思いますが、基本的にはMA(米)の量がトータルでこれ以上増えるということにはなりませんし、主食に流れるということも基本的にはありません。

 記者 先ほど記者さんがお米券の配布に関して、物価高経済対策としてそこを盛り込んでいくというのが高市総理の意向ということで、農水省としてもこちらに力を入れていきたいんだと思うのですけれども、いくらぐらいの財源になるかという点と、それから大臣、こども食堂などああいったところにも、そういった支援が行き届くようにしたいということですがどこに配布されるのか。地域・自治体ごとの判断だという意味では、各住民世帯にばらまかれるような形になっていくのか、そういった非常に何としてでも欲しいというようなNPO法人なんかに対しては、どういうふうに対応していくつもりなのかというのもお願いします。

 大臣 これ全体として、総額いくらぐらいになるかというのは、もうこれはまさに今やりとりをしている最中ですので、私のところから何か申し上げるということはできません。その上で、どういう方々にそれぞれの自治体がどのようにして、ある種お米券なのか、別のもう既にやっている、デジタルでやっている自治体もありますのでそうした形でやるのか、様々だというふうに思っていますが、それについて我々として、どんなご相談にも乗らせていただきたいというふうに思っております。そしてもう一つ、こども食堂とか、あとフードバンク、これ今現状でなかなかお米が手に入らないというか、要するに集まりづらくなったというお話も伺うところでありますので、そうしたところに対しては、これまでもやってきておりますけれども、備蓄米のある種提供も含めて、これからも引き続きやらせていただいて、本当に困っている皆さんが、困っているという状況が続くというのは、何としてもこれはあり得ないというふうに私は思っておりますから、できることは全てそこについてはやらせていただきたいと思っています。

 記者 米の価格についてお伺いします。大臣はもう何度も言ってらっしゃるように市場に任せるということなのですけれども先週、米卸の決算が発表されて、純利益が数倍の非常に好調な内容で、上方修正が発表されております。その上方修正の理由が、想定以上に米の価格高騰が長引いたことというふうにあるのですけれども、備蓄米の放出にあたっては、その放出の理由の一つとして、市場競争が働かなくなっているから、ある種政府が介入する必要があるというようなことを指摘している専門家の方もいらっしゃったと思いますけれども現状を、先ほどの米穀機構の話もありますけれども、適切に市場競争が起こるのか、ちゃんと想定どおりパニック売りのような形にならないように、逆に本当に想定のように正しく市場の需給に合わせたその価格の推移が起こるかどうかということについて、そのリスクの大臣の今の認識ですとか、市場が過剰反応しないように、適切な価格の需給のバランスがとれるような何か取組についてのお考えがありますでしょうか。

 大臣 専門家の方がまず何をおっしゃっていたか、私は今よくわからなかったのですけれども、ご理解いただきたいのは、何故この米価の高騰がこんなに起こってしまったかと言えば、これは我々農林水産省の需要の見立て、これが完全に甘くてというか見誤った結果、結果としての供給量不足という事態になりました。その結果、供給力が足りない、需要に対して足りないということになれば、集荷競争が激化をしますので、結果として米価の高騰に至ったということです。ですからある意味で言えば、間違いがあった後は、ある種その市場原理でこれは価格が上がったということなんだというふうに理解をしています。今これから我々がやらなければならないと思っているのは、しっかりとした需給見通し、これ需要の出し方も改善をいたしますし、より実態に近いものに変わっていくと思います。そうしたことも含めて、ある種バランスのとれた形の需給の在り方というのを示した上で、そこに向かって皆さんと一緒に進んでいくということになりますから、短期で来週どうですか、再来週どうですか、ということを私が何か予想するということは正直言ってすべきでもありませんし、難しいというふうに思いますが今年、来年というスパンで見れば、需給がしっかりと均衡して安定するように我々としては取り組む、その結果が価格の安定ということにつながっていくんだというふうに考えています。

 記者 そういう意味では、備蓄米も放出して値段が下がると言っていたものが、やはり想定より値段が下がるのが遅くて、ようやく米穀機構の調査で下がるような見通しが出てきたという意味では、下がるだろうと思っていた期間の見通しにズレがあったと思うのですけれども、そういうふうなズレとかというのが、まずあったかどうかという認識があるのかと、今後もそういう認識のズレがあることに対するリスクヘッジみたいなことをどういうふうに考えているのでしょうか。

 大臣 まず申し上げておくと、私は前任者ではありませんので、備蓄米の放出によって価格がどのタイミングでどういうふうに下がるのかということについて当時、石破政権の下でどのように考えたのかということについては、ちょっと今突然ご質問いただいたので、すぐにお答えすることができません。ただ私は何度も申し上げておりますが、備蓄の運用については、全体の量として足りないときには出すし、そうでない場合には放出はしないということがまず基本になると思っています。ですからそういう意味で言うと、我々が備蓄の出す、出さないによって価格がどうなりますかというようなことについて、我々が何か予測をするとか、そういうことはもう今後は基本的にはないですし、そういう見立てを持つということもないだろうというふうに思っております。ただ肝心なことは、要するに1年で1作でありますから、今の先ほどおっしゃっていただいた、中期的に米穀機構のこの出したデータも、私もまだ報道でしかちゃんと確認をしておりませんが、今年の新米が思ったよりももっと取れていたということも踏まえて、こういうご判断を取引現場の皆さん、されているというようなコメントも読みましたので、単に備蓄の出し入れどうこうではなくて、そうしたことで現場の皆さんが、需給が今どういう状況であるかというのをご判断いただけると思っております。

 記者 大臣の就任会見での発言について伺います。大臣は農と食の分野で「守るべき分野と攻めるべき分野を明確にした戦略を策定します。」と発言されましたけれども、これ既に食料・農業・農村基本計画がある中で、この戦略を策定するねらいは何なのか教えてください。またいつまでに、具体的にどんなことを策定するお考えでしょうか、お聞かせください。

 大臣 私が農林水産大臣拝命した際に記者会見で、守るべき分野、そして攻める分野ということを申し上げました。そして、それについての戦略も策定をしたいということを申し上げました。まず守るべき分野として申し上げると、例えば記者会見でも何度も申し上げておりますが、中山間地域等の条件が不利な地域においても、営農して稼ぎ暮らしていける農業。これは残念ながら、今まで我々が講じてきた施策では成し遂げることが正直言ってできなかった。その結果として中山間地域の、これ衰退というのを我々止めることができなかったという反省の上に立っております。そしてもう1点は、家畜伝染病のリスクをできる限り遮断した畜産業、こういったことが挙げられるかというふうに、これ必ず守るべき分野ということであります。
 そして攻める分野としては、例えば近年着実に進展をしております1.5兆円を超えることができました農林水産物食品の輸出、これはさらに伸ばしていかなければなりません。需要がなければ、ある種生産拡大をしても意味がありませんので、そうしたことを取り組みたいのと、もう一つは昨日(11月10日)の(日本)成長戦略本部の中でもテーマの一つとして挙がっておりますフードテックを始めとした、新たなテクノロジーを活用した完全閉鎖型の植物工場や陸上養殖施設等への投資拡大を進めるということ。これが攻めるべき分野だというふうに思っております。
それで戦略というのは、少なくとも基本計画はもちろん大きい枠組みとして既に決まっておりますし、食料自給率どこに向かっていくかとか、そういったことについては決まっておりますが、個々のこういった守るべき分野、そして攻めるべき分野、特にフードテックなんかは、我々として何か中長期で戦略をもって今あるわけではありませんので、日本成長戦略本部というのができまして、会議体もできましたので、その中でも我々として、例えばフードテックはこういうふうな戦略で10年スパン、20年後はこういうふうに伸ばしていきたい、みたいな話をこれから詰めたいというふうに思っています。

 記者 大臣はいつまでに戦略を策定したいお考えですか。

 大臣 正直、テーマによっても結構時間が要するものもあれば、正直すぐにできるものというのはなかなかないというふうに思っています。例えば中山間地域の話で言えば、もう一度よく現場の話、これを聞かなきゃいかんと思っています。そしてフードテックなんかも、これから改めて新しく作るものでありますから、成長戦略本部の中で、フードテックの担当は農林水産大臣と明確に決めていただいたので、今までは経済産業省なのか農水省なのかと、正直スタートアップの皆さんもどこに相談行ったらいいのかねというのがパッと(分からない)、悩ましい世界だったものを「農林水産省」と明確に決めていただきましたので、我々の方で、もちろん経済産業省とも連携をとりながら作っていくということになります。成長戦略本部の全体のスケジュール感というのがありますから、それに沿ってそれよりもできれば早く、我々としては議論を進めてやりたいというふうに思っています。

 記者 推奨されているお米券の話なのですけれども、価格にはコミットしないということ、そして市場が価格は決めていくことを常々おっしゃっておられますけれども、仮にお米券というものをあまねく自治体が選んだ場合に、かえってこれが現在高いところで張り付いている米の価格を維持してしまう、いわばちょっとマーケットの価格を、自由な競争というのを阻害してしまう要因にはなりえないのでしょうか。

 大臣 そういったご指摘があることについては重々承知をしておりますが、我々が今やらなければいけない、一番大事なことは何かといえば、今の価格ではなかなか手が届かない、買い控えをせざるを得ない、その結果として十分にお米を食べれないという声に対して、我々は答えるべきだと思っておりますから、そのためのできる限りスピーディーに何ができるかといえば、私が以前から申し上げていることになろうかと思います。

 記者 ちなみに仮に、推奨メニューであって最終的に選ぶのは自治体ですけれども、このお米券だとか食品券のバウチャーというのは、その終了の出口というのはどういったときに見つけられるものなのでしょうか。

 大臣 これ大変今の(質問は)、難しくて大切なご指摘だというふうに思っています。やはり経済対策、これはどういうタイミングでいつ打つのかということとも正直言って関わってくるのだと思いますが、本来であれば、賃金がしっかりと上昇していって、それにつれて食品の価格が上がったときも、負担感がそんなにあるよねという状況でないという状況がベストなんだというふうに思いますが、現状としてはそういうふうになっていない。要は賃金の上昇よりも食品の、特にお米については、もうすごい値上がり方をしましたから、その値上がりの仕方の方がスピード感があるということで、そこに対する対応が必要だという状況だと思っています。ですからずっとこれをやるということには、私はならないというふうに思っております。

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