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需給

主食用輸入米の入札、過去最短で完売

 農林水産省は11月14日、主食用輸入米の第4回入札(WTO-SBS入札)を実施、提示全量が落札された。これにより令和7年度(2025)のWTO-SBS入札は、早々に年間予定数量を完売した。年内、それも11月の完売は、文句なく過去最短記録にあたる。

 SBSは、輸入してくる商社が売り渡す価格と、卸売業者が買い受ける価格を、ペアを組んで同時に応札する仕組み。国の側から言うと、商社から買い入れる価格と、卸に売り渡す価格、と表現できる。この買入価格と売渡価格との差益(マークアップ)が国の収入になり、このマークアップが大きい順に落札される。ただし非公表の予定価格が設定されており、買入価格の下限と売渡価格の上限の幅に、売り・買いともおさまっていることが前提だ。またマークアップにも㎏292円の上限がある。

 今回の落札結果では前回に引き続き、一般米(丸米)枠の落札玉すべてのマークアップ平均が上限の㎏292円に張り付いた。この結果、一般米枠の平均落札価格は、買入(商社売り)㎏223.0円(前回比+4.5円)、売渡(卸購入)㎏515.0円(+4.5円)で、マークアップ㎏292.0円(±0.0円)。最新・9月の枠外輸入額を単純換算すると㎏475円で、国際輸入枠のほうがまたもや大きく上回った。

 WTO(世界貿易機関)協定によって日本に課されている無税の義務輸入枠、MA(ミニマム・アクセス)米は年間76万7千t。これらの大半は加工用や飼料用、あるいは援助用など、国内で消費する主食用としては仕向けられない。唯一主食用として輸入できる枠は年10万tだけで、SBS(売買同時入札方式)で輸入する。この年10万tを4回のSBS入札でこなす原則のため、1回あたりの提示数量(予定数量)は2万5,000tが通例だが、小泉進次郎農相(当時)の意向により、前倒しで落札が進んでいた。

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