財務省が11月27日に公表した輸入通関実績によると、10月の外国産米輸入量がまたも激減したものの、令和7年(2025)累計が9万tを超えたことが明らかになった。10月の外国産米(枠外)輸入量は、1,475t(前月比▲77.4%、前年同月比+1486.0%)、2億7,717万2千円(前月比▲68.3%、前年同月比+1645.4%)。
日本の米の場合、高い輸入関税(㎏341円)が設定されているため、国家貿易で入ってくるものを除けば、ほんの少量しか入って来ないのが通例だった。ところが国産米価格が高騰したことで、高い関税を払っても外国産米を仕入れたほうが安くあがる――そう算段した業者が複数いた模様で、今年に入ってから倍々ゲームで枠外輸入量が急増してきた。輸入は船舶輸送が一般的なため、契約から着港まで2~3か月のタイムラグがある。
精米の枠外輸入量(10月)
| \ | 数量 | 金額 |
|---|---|---|
| 韓国 | 40t | 1,050万8千円 |
| 中国 | 6t | 128万9千円 |
| 台湾 | 254t | 8,076万7千円 |
| ベトナム | 414t | 5,797万円 |
| タイ | 82t | 1,014万1千円 |
| カンボジア | 18t | 217万円 |
| ミャンマー | 58t | 780万6千円 |
| インド | 286t | 5,117万3千円 |
| パキスタン | 23t | 363万円 |
| スリランカ | 69t | 1,074万1千円 |
| バングラデシュ | 8t | 182万円 |
| イタリア | 2t | 210万6千円 |
| アメリカ | 215t | 3,667万2千円 |
| 合計 | 1,475t | 2億7,679万3千円 |
ということは10月の輸入量激減は、随意契約による「安い」政府備蓄米の放出によって、「枠外輸入米では割に合わない」と勘定した結果とみられる。
単純計算ではあるが、輸入額に関税(㎏341円)を上乗せすると、㎏529円で仕入れることが出来る水準だ。安い随契米がダラダラ出回る一方で「高い」新米の出回りが穂陰核かし始めた今から、タイムラグを考慮すると、11~12月の枠外輸入が再び急増する可能性が高い。枠外輸入量は、令和7年(2025)の10月累計で9万0,234t。無関税の主食用米義務輸入枠(SBS)は年間10万tだから、これを超えてくるものとみられる。

