米穀のスポット取引業者㈱クリスタルライス(東京都中央区)は12月5日、令和7年産米の11月下期(16~末日)主要2銘柄の取引価格を公表した。それによると、青森まっしぐら続落、関東銘柄米反落と、ともに値を下げている。
| 11月下期のクリスタルライス取引価格 (関東着値、1等、包装代込み、税抜き) | ||
|---|---|---|
| 青森まっしぐら | 28,071円 | 11月上期比▲841円 |
| 関東銘柄米 | 27,636円 | 11月上期比▲1,882円 |
CRの公表銘柄数は、取引数量の多寡に応じて変動する。その公表銘柄数が前期(11月上期)の4銘柄から2銘柄に減少したということは、取引数量が減少したことを意味する。しかも残ったのが、いわゆるB銘柄ばかり。つまり安値玉なら〝買い〟が入るが、基本的に「お腹いっぱい」(在庫過多)の買い手に買い意欲はなさそうだ。
我が国玄米流通の大宗を占める集荷業者-卸売業者間の「相対取引」を補完するのが、スポット取引。相対に比べればスポット取引の規模は遙かに少ないため、その取引価格はどうしても相対価格から乖離する傾向にある。また米穀卸の全国団体、全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)の子会社である㈱クリスタルライスは、あまたあるスポット取引業者のなかでも唯一、取引価格を「公表」する存在のため、「意図的に価格を吊り上げている(あるいは押し下げている)」といった邪推を受けやすい存在でもある。
上記の価格は、同社の取引で成約した価格を加重平均したもの。なお「関東銘柄米」の内訳は、あさひの夢、とちぎの星、彩のきずな、ふさおとめ、ふさこがねなど。

