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決算

のむら産業10月期は過去最高収益、中計目標達成も次期中計策定は見送り

 米穀など包装資材・包装機械の製造販売業者のむら産業㈱(東京都東久留米市)は12月12日、増収大幅増益の令和7年(2025)10月期決算を公表した。ことに売上高と営業利益は過去最高を更新。これに伴い通期(期末のみ)配当を27円増配の89円とした。前期に比べ30円の増配にあたる。
 昨年12月に改定した中期経営計画で掲げていた令和9年(2027)10月期に到達予定だった営業利益目標(6億57百万円)をすでに上回っているものの、次期中期経営計画の策定は今回、見送っている。「政府の農業政策の動向を含め業界全体の状況は変化の過程にあると考えられる」ことから、「現時点で令和9年10月期以降の業績見通しを公表することは適切ではないと判断した」もの。これとは別に中期経営「方針」で掲げた令和10年(2028)10月期「売上高80億円、営業利益9億円超」の旗は降ろしていない。

売上高
(前期比
増減率)
営業
利益
(前期比
増減率)
経常
利益
(前期比
増減率)
当期
純利益
(前期比
増減率)
令和7年(2025)
10月期業績
71億11百万円
(+7.5%)
7億53百万円
(+49.1%)
7億53百万円
(+47.5%)
5億08百万円
(+49.8%)
令和6年(2024)
10月期業績
66億12百万円
(+10.7%)
5億05百万円
(+12.8%)
5億10百万円
(+14.4%)
3億39百万円
(+16.8%)
令和8年(2026)
10月期予想
73億60百万円
(+3.5%)
8億10百万円
(+7.5%)
8億09百万円
(+7.4%)
5億48百万円
(+7.9%)

 令和7年10月期決算のうちセグメント別では、包装関連セグメントが売上高61億95百万円(+9.4%)、営業利益は6億79百万円(+43.4%)。「米価高騰などの影響による消費者ニーズの変化に合わせた需要への対応や、期初の原材料価格高騰に対する価格転嫁や政府備蓄米放出に伴う資材需要に対応した」ことで、資材関係の売上高は堅調に推移。機械関係は、「更新需要や鮮度保持ニーズに対応した販促強化が奏功した」ことに加え、コロナ禍で中断していた海外への販促を再開、タイとベトナム向け納品を実現している。
 物流梱包セグメントは売上高9億16百万円(▲3.6%)、営業利益73百万円(+136.7%)。「物流業界の働き方改革による物流コストの上昇などの影響で、業界全体の荷動きとしてはやや鈍化傾向で推移したものの、ネット通販市場の安定的な需要の継続により、物流関連需要は底堅く推移」。また大手通販会社が低コスト梱包資材に変更したことで減収が発生したものの織り込み済みで、利益面では計画通り堅調に推移した。

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