国際農研(国際農林水産業研究センター)と農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)は12月18日、国内最多収品種の単収をさらに向上させる次世代イネ系統「北陸193号-MP3」の開発に成功したと発表した。
令和7年産米の単収(10aあたり収量)が全国平均526㎏なのに対し、国内最多収品種と言われている「北陸193号」の単収は平均で781㎏。多投施肥栽培で1t穫りを記録することも珍しくない。国際農研と農研機構の共同研究では、この「北陸193号」に戻し交配で穂数増加遺伝子MP32を導入し、その効果を検証した。その結果「北陸193号-MP3」は、親品種「北陸193号」に比べ、穂数が21~28%増加、通常気温だけでなく最高気温が35℃を超える猛暑環境下でも7~9%の単収向上を達成した。

また窒素肥料を施用しなくとも収量向上を確認している。さらに籾数が増加すると籾の稔実率が低下するものだが、「北陸193号-MP3」は穂数の増加に伴って増加した籾が十分に稔実、増収に繋がることも確認した。
