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放れ駒

【放れ駒】皆さんご存知「ラブ米」

 「ラブ米」をご存知か。知らなかった。いや、忘れていた。軽く見てたんだろうなあ。

 東京都豊島区の映画館、池袋HUMAXシネマズで来年1月17~18日、『RICE on STAGE「ラブ米」お正月だよ!グルメ★上映祭!in グラン米ゾン東京』が開催される。舞台劇シリーズ『RICE on STAGE「ラブ米」』の模様をおさめた映画4作品の上映と併行して、出演者によるトークショーも展開されるイベントだ。で、この舞台劇シリーズの原作が、平成29年(2017)に放送された短編TVアニメ『ラブ米 -WE LOVE RICE-』。どれくらい短編かというと、1話わずか5分。12話×2シーズンにわたって放送されたものの、全部あわせても120分、ちょうど2時間しかない。

 この原作のTVアニメは観ていた。調べてみると「シーズン1の最終回で舞台化が発表された」そうなのだが、そこは全く憶えていない。だから今年まで(!)連綿と続く舞台劇のことなど全くもって知らなかった、いや、忘れていたのである。

 いや、申し訳ない。そんな軽くみたもんでもないのだ。
 おじさんにはよく分からないが、何でも昨今のアニメには「萌え擬人化」なるジャンルがあるのだそうだ。過去の例では軍艦や戦車があり、大抵は女の子に擬人化するのだが、今回の場合は男の子、しかも擬人化対象が「米」だ。
 当時の農林水産省がこのアニメとタイアップして、「ごはんを中心とした食生活をさらに応援するためのポスター」を作成している。いわゆるオタクな絵柄にアレルギーのある方もおられようが、実際にTVアニメの初回を観ると、絵柄はともかく話やキャラクターの緻密さというかマニアックさに驚かされた。

 「穀物の人気がパンにとって代わられた世界」を舞台に、「廃校寸前の穀立稲穂学園に入学した米の擬人化キャラクター5人が、米の人気をとり戻すために『ラブライス』を結成。穀物たちが自身の美味しさを周囲にアピールするライブ『ハーベストショー』の王者『イーストキング』を超えるべく、特訓に励む姿を描く物語」である。

 キャラクターは「穀立稲穂学園」の生徒のため、出席番号ならぬ「農林番号」がふられている。主人公は「ひのひかり」(水稲農林299号)。ご不満もあろうが、この世界では「こしひかり先輩」がもはや伝説と化しているのだそうだ。「ラブライス」の5人はほかに、「ささにしき」(水稲農林150号)、「ひとめぼれ」(水稲農林313号)、「あきたこまち」(農林番号登録なし)、「にこまる」(水稲農林411号)。他にも出てくるのだが、とりあえず校長先生は「もりのくまさん」で、「ひとめぼれ」は妹「まなむすめ」を溺愛しているという設定。いちいち説明しないが、実にマニアック。

 昨今のオタク市場を軽くみないほうがいい。意外とこれが爆発的な米消費拡大のきっかけに――ならんか?

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