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需給

外国産米の枠外輸入11月は反転小幅増、年10万t微妙

 財務省が12月25日に公表した輸入通関実績によると、11月の外国産米輸入量がついに反転増加したものの大した量ではなく、令和7年(2025)累計10万t到達が怪しくなってきたことが明らかになった。11月の外国産米(枠外)輸入量は、2,787t(前月比+88.9%、前年同月比+1279.7%)、4億0,251万5千円(前月比+45.2%、前年同月比+1091.5%)。

精米の枠外輸入量(11月)

数量金額
台湾145t2,516万1千円
ベトナム193t2,368万9千円
タイ164t3,078万0千円
ミャンマー61t773万2千円
インド129t2,217万4千円
パキスタン2t84万4千円
スリランカ97t1,110万5千円
アメリカ1,996t2億8,073万0千円
合計2,787t4億0,221万5千円
※11月は籾、砕米での輸入はゼロ。玄米では台湾から0t(29万0千円)のみ。

 日本の米の場合、高い輸入関税(㎏341円)が設定されているため、国家貿易で入ってくるものを除けば、ほんの少量しか入って来ないのが通例だった。ところが国産米価格が高騰したことで、高い関税を払っても外国産米を仕入れたほうが安くあがる――そう算段した業者が複数いた模様で、今年に入ってから倍々ゲームで枠外輸入量が急増してきた。ところが8月からは減少に転じていた。
 輸入は船舶輸送が一般的なため、契約から着港まで2~3か月のタイムラグがある。随意契約による「安い」政府備蓄米の放出が5~6月だから、8月からの輸入減少は「枠外輸入米では割に合わない」と勘定した結果と考えれば符合する。したがって「高い」国産新米の出回りが本格化し始めた9月に再び枠外輸入米の魅力が再燃、実際に入ってきたのが11月だったと考えれば自然か。
 単純計算ではあるが、輸入額に関税(㎏341円)を上乗せすると、㎏485円で仕入れることが出来る水準だ。枠外輸入量は、令和7年(2025)の11月累計で9万3,021t。12月に急増しないと、累計10万t到達微妙な情勢だ。

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