【㈱帝国データバンク発】鳥取の米穀販売業者㈱鳥取県食(倉吉市、北村龍一郎代表清算人)が12月11日、鳥取地裁倉吉支部から特別清算開始命令を受けていたことが判明した。資本金8,000万円、負債は令和5年(2023)9月期末時点で約6億5,400万円。
同社は平成8年(1996)に設立された米穀の卸売業者。鳥取県食糧事業協同組合(倉吉市)から営業権を引き継いで事業をスタートし、平成9年(1997)には氷温倉庫を新設していた。自社ブランド「氷温米」などを販売し、平成16年(2004)3月期には年売上高およそ34億2,300万円を計上、米穀卸売業者として県内トップクラスの業容を確保していた。
しかし、同社は2等米の取扱比率が高く、利益率が低下していた。また、県外大手の食品ディスカウント店の進出が相次ぎ、得意先への納入量が減少、価格競争の激化もあって令和5年(2023)9月期(決算期変更)の年売上高は約7億円に落ち込み、赤字計上を余儀なくされた。倉庫などの設備資金、在庫負担に伴う有利子負債に加え、近時の米価上昇により資金繰りが悪化して支え切れなくなり、昨年11月30日に事業を停止していた。当初は私的整理を行う予定であったが、今年8月8日開催の株主総会の決議により解散し、法的整理を図ることとなった。
鳥取の米穀販売業者が解散、負債およそ6億5,400万円
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