米穀販売最大手の持株会社㈱神明ホールディングス(兵庫県神戸市)は1月8日、グループ内青果卸会社に、AIによる分荷自動化サービスを導入すると発表した。令和3年(2021)11月から、当時はNTT(日本電信電話㈱、東京都千代田区)の一部門にすぎなかった現在の㈱NTT AI-CIX(東京都港区)との間で、「農産物流通DX(デジタルトランスフォーメーション)」に向けた共同実証実験を進めてきた。この実証実験の成果として有用性を確認できたことから、導入を決めたものだ。


グループ内青果卸会社の一つである東京シティ青果㈱(東京都江東区)を対象とした実証実験では、「営業担当者が持つ注文者の要望や品目の特性といった情報、ノウハウをAIに学習させ、それらを考慮した分荷案をAIで自動生成、その精度を検証した」。その結果、「ほとんどの品目でAIによって自動生成した分荷案が、営業担当者による分荷結果に比べ、9割を超える精度を実現」。「新たな品目での利用や、産地リレーが発生する場合でも、簡単な設定とAIによる履歴学習によって、早期に高い精度を実現した」としている。
発表のなかで神明HDの藤尾益雄社長は、実証実験の成功を「青果物流通のDX化に向けた大きな前進」と高く評価した上で、「この取組みは、中長期的には、作業負荷の軽減だけでなく、需給情報を活用したサプライチェーン全体の最適化に寄与すると確信している」とコメントしている。
令和3年から開始した共同実証実験がめざすゴールは、まだ先にある。「ネット上に仮想市場を構築、AIで〝未来予測〟し、実際に現物が市場に運び込まれる前に取引を行うDXプラットフォームの構築」をめざしている。これが青果物流通の世界で構築できれば、いずれ米穀流通にも応用する構想だ。実験開始時の会見で藤尾社長は、「もちろん米での応用も視野に入れている。青果物を優先させたのは、米より鮮度が重要だし品目数が多いため。青果物に比べれば米はシンプルだから、この仕組みが完成すれば米への応用は容易だ」と語っていた。
