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施策・政策

鈴木農相、今年は「先の見通せる農政」に道筋

 鈴木憲和農相は今年初となった1月9日の閣議後定例会見で、年頭にあたっての所感を訊かれ、「先の見通せる農政」にしっかりとした道筋をつけたいとの抱負を明らかにした。

一問一答(1月9日、閣議後定例会見から抜粋)

(略)

 記者 出張など行かれていましたが、閣議後会見は今年初めてということですので、年頭の大臣の所感をお伺いしてもよろしいでしょうか。

 大臣 今年は、大臣就任当初から申し上げているように「先の見通せる農政」、これにしっかりとした道筋をつけたいというふうに考えております。特に、攻めの分野と守りの分野を我々自身がしっかりと意識をしながら施策を作っていくということ、また日々の仕事に取り組んでいくということ、後ほどの年頭訓示の方でもその旨をお話を、職員の皆さんにお話させていただきたいと思っております。そして、その上で、国際情勢、大変不安定化をしております。また自然災害、気候変動などの影響、そして、我が国では人口減少や高齢化による担い手の急減など、我が国農林水産業が様々な課題に直面をしている中であります。そういう中で、将来にわたって食料安全保障を確保するため、農業の構造転換をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。また、昨年立ち上げをさせていただきました、日本の農林水産行政の戦略本部における議論を加速化をさせていきたいというふうに思っております。食料の安定供給と食の分野で稼げる日本を実現し、本年が「稼げる日本元年」、これになるように、職員と一緒に現場の皆様の気持ちに立って、農林水産行政、前に進められるように精一杯努力をさせていただきます。

 記者 米粉についてお伺いします。年頭の高市総理の記者会見で、農産物の輸出拡大の重要性に触れた上で、代表例に米粉を挙げる場面がありました。大臣も米粉の推進には思い入れがあると思いますが、実際、需要拡大という部分を輸出も含めてどう進めていくのか、実際推進する上での課題は何か、それぞれお願いします。

 大臣 2024年の米粉の輸出について申し上げますと、金額ベースで7,300万円、前年比でいうと47%増となっており、数量ベースでいうと90トン、18%(前年比)の増ということになっております。国別でみますと、タイ、台湾、シンガポールなどのアジア、そしてアメリカ、ドイツ、フランスなどの欧州、またロシアが主な輸出先となっております。米粉の需要については、世界のグルテンフリー市場が2005年の8億ドルから、2024年の予測値では、もう104億ドルに拡大をしているというふうに考えられておりまして、他国産との価格差というのが当然あるのですけれども、高い製粉技術等に優位性があるため、世界のグルテンフリー市場の取り込みがチャレンジをすれば、可能であるというふうに考えております。今後、こうした米粉の輸出拡大、これに向けまして、米の輸出促進団体を中心とした海外需要の開拓、そして米粉の特徴を活かしたベーグル、たこ焼きなどの新商品の開発、また製粉施設等の製造能力の強化や、加工適性を踏まえた米粉の専用品種の拡大などに取り組み、商流の構築・多角化・コストの削減を行うことにより、米粉や米粉製品の輸出拡大に取り組んでまいりたいと思います。また、国内マーケットにおいても、米粉自体様々な商品に、しかもおいしい形で消費者に受けられる形で技術的には確立しつつあるわけですが、残念ながらこの主食用の価格高騰によりまして、米粉用の米の安定供給というのが実現ができているという状態にはなってないというふうに認識をしております。今年、水田政策の見直しをやりますから、そういう中でも、このせっかく国内マーケットが広がっているにもかかわらず、米粉用の米が安定供給できないということではもったいないですから、そうした観点もよく踏まえて施策を確立してまいりたいというふうに思います。

 記者 需要拡大ですとか、輸出拡大の可能性は大きく拡大する可能性はあるというふうにお考えですか。

 大臣 拡大しつつありますし、実際に私ももう長年、この米粉の可能性というのはずっと研究を自分自身も続けておりますが、間違いなく言えるのは、10年前に比べて今の方が、例えばバームクーヘンとか、先日も農福連携で作られたバームクーヘン、米粉の(バームクーヘン)いただきましたけれども、本当に美味しかったです。そうした可能性が広がってきているので、後はそこに原料を安定供給していく、そして実際に商品を作ってビジネスをやっていただける皆さんが、もっとこの商品で頑張ろうというふうに思っていただけるような環境を、我々として一緒になって作っていくということだろうと思っています。

 記者 いわゆる台湾有事をめぐる高市総理大臣の発言以降、日本から中国への日本酒や食品の輸出で通関手続きが遅れているということがわかりました。日本の食品の輸出の停滞が懸念される状況だと思うのですけれども、こちらの受け止めと、今後の対応についてお伺いいたします。

 大臣 今回のご指摘の報道については承知をしております。政府として、民間企業の個別の取引についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ一般論として申し上げますと、我が国の農林水産物・食品の海外輸出が円滑に行われるということが何よりも重要だというふうに考えております。引き続き、状況をしっかりと注視をしつつ、必要な対応を行っていきたいというふうに考えております。

 記者 必要な対応というのは中国側への働きかけも含めてということになりますか。

 大臣 まさに、我が国の農林水産物・食品の海外輸出が円滑に行われるということが重要でありますから、普段より中国当局と必要なやり取り、様々行っています。その逐一の内容については、明らかにするということは差し控えさせていただきたいと思います。

 記者 大臣、提唱されたお米券ですけれども、1,700自治体のうちでどのくらいが採用しているのか。特にこのお米券も選べるというような形で採用している方も、江戸川区はそうですかね、だと思うのですけれども、実態は今どんな感じになっているのでしょうか。

 大臣 我々で今把握しているところで申し上げますと、埼玉県の2つの町が、これ川島町と吉見町ということになりますけれども、昨年12月にお米券の住民への発送を始めたほか、複数の自治体がお米券の配布を決定した旨、報道されていることは承知をしております。いずれにしても、食料品への物価高騰への支援としてお米券に限らず、プレミアム商品券や地域ポイントなど、住民の方々に速やかな支援が届けられるよう、各自治体が今ご尽力をいただいていることに、私の立場からも感謝を申し上げたいというふうに思います。数十程度の自治体からお米券の配布について、農林水産省にこれまでお問い合わせをいただいておりますが、このうち支援方法も含めて、まだ検討中という自治体が相当数あると承知をしておりまして、現時点でお米券の配布意向に関して自治体数に言及することは差し控えます。なお、この重点支援(地方)交付金の推奨事業メニューに関する令和7年度実施計画は、今月の23日までに各自治体から内閣府へ提出をされ、それ以降に農林水産省としても各活用状況をフォローアップする予定でありまして、この中で各自治体の取組状況の把握、努めてまいりたいと思います。

 記者 全農や全米販に聞けば、現時点でどれだけ納付したか分かるような気がするのですが、それはお調べになるおつもりはないですか。

 大臣 この件については今申し上げさせていただいたとおりであります。

 記者 23日にはわかるということですね。

 大臣 23日までに各自治体から内閣府に、どういうことで何をやるのかというのを、この食料品のものに限らずということになりますが、推奨事業メニューについては提出がありますから、そうしたことをしっかりと確認をさせていただきたいと思います。

 記者 多分、本当に少ない自治体しか採用しない可能性が高いと思うのですけれども、感触ではですね。その時大臣は責任を取られるおつもりはないですか。

 大臣 大切なことは、今、食料品の価格高騰に対して負担感を感じていらっしゃる皆さんに、少しでもその負担感を早く和らげていくということがこの政策目的でありますから。

 記者 質問は、責任をとる気があるかないかなのですが。

 大臣 どういう手法にしても、それは自治体の皆さんがしっかりとやっていただきたいと、それを我々は支えていきたいというふうに思います。

 記者 年頭所感の中で話されていた守る地域というのは中山間地のことかと思うのですけれども、ここを活かすということは効率的で稼げる農業とは逆行するように思いますけれども、それをどうお考えなのかと。逆に、稼げる農業というのは、大臣のイメージではどういうものを指しているのか、もう少し具体的に教えていただけませんか。

 大臣 守るべき地域として、昨年の「(日本の農林水産行政の)戦略本部」の中でも守るべき分野の中山間地域、そしてもう一つはやっぱり種子や種苗、これをしっかりと確保していくということも大事でありますから、その二つのテーマについて戦略本部の中で挙げさせていただいているところであります。具体的に言えば中山間地域や、また昨日も沖永良部、お邪魔をしてきましたけれども、離島のように物流面での当然、これはハンディキャップがあるというような地域もありますから、どんな地域であったとしても、そこで頑張る皆さんがいる限りは、そこでしっかりと農林水産業に携わって生計が立っていくという姿が、やはりこの国を維持をしていくということになろうかと思いますから、そういう観点でこれから議論させていただきたいと思います。

 記者 伺っているのは、そういう地域にどういう施策でサポートするのか、それは無駄なことではないのかということなのですけれども。

 大臣 全く無駄なことであるとは思っておりません。

 記者 どういうふうにサポートするのですか。

 大臣 現状でも中山間地域への直接支払、また多面的支払、様々な支払があります。

 記者 そういう施策はもうずっと続けるのだというお考えだということですね。

 大臣 地域が持続可能になる形で、どのような形が一番望ましいかという観点で、これから議論をさせていただきます。

 記者 攻める方はどうですか。攻める方というか、稼げる農業のイメージは。

 大臣 一番はやはり大きいと思うのは輸出ですね。海外マーケットをしっかりと取っていく。国内は中長期的には人口減少をどうしてもしますから、胃袋が限られる中で、海外のマーケットを取っていくということが一つかと思います。そして、もう一つは、新しいテクノロジーがたくさん植物工場を始め出てきておりますから、そうした分野への投資を加速化をしていくということだろうというふうに思います。

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