新潟県は1月28日、令和8年産から本格デビューを予定している主食用米新品種の名称を変更すると発表した。昨年11月26日に決めた名称「なつほなみ」が、すでに存在していることが分かったため。種苗法上、福井県が昭和53年(1978)から「ナツホナミ」(越南112号、水稲農林249号)を登録しており、(平仮名、カタカナの別とは関係なく)同一の名称では品種登録できない。新潟県では、「今年から本格デビューのスケジュールは崩さない。流通に影響がでないよう、3~4月までには新たな名称を決めたい」としている。
「なつほなみ」とならなかった「新潟135号」は、「東北192号」と「越南221号」を交配した主食うるちで、暑さに強く良食味が〝売り〟。決して多収ではないが、「一反歩(10a)あたり9俵(540㎏)を安定して獲れる」という。だが最大の特徴は、収穫期が「極早生」であること。新潟産米として最も早い品種で、「公式には『8月中に収穫できる』と言っているが、控えめな表現。お盆過ぎには刈り取りを終えられる」(新潟県)。つまり茨城あきたこまち、千葉あきたこまち、千葉ふさおとめ、千葉ふさこがねといった関東早場の業務用需要に〝殴り込み〟をかける狙いがある。最も早い新潟産米には、これまで「葉月みのり」があったが、柏崎市周辺に限定された品種のため作付面積が少ない。本格デビュー年である令和8年産では、いきなり約400haの作付を見込んでいる。
言わば、新潟県「期待の新品種」なわけだが、それにしては同一名称に気づかない お粗末さ加減はどうだ。農林水産省から「同一名称がある。『なつほなみ』では品種登録できない」と連絡を受けたのは先週、1月23日のこと。新潟県では「農林水産省はじめ様々なデータベースで確認した上で登録出願したのだが、『ナツホナミ』は(種苗法の)旧制度での登録だったため、引っかからなかった」と〝言い訳〟する。確かに(改正後)種苗法の登録品種データベースでは「ナツホナミ」はヒットしないが、農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)の次世代作物開発研究センターが無償公開している「イネ品種データベース検索システム」だと、「なつほなみ」と入力しても「ナツホナミ」がヒットする。「様々なデータベース」とは、一体どこのデータベースのことを指すのだろうか。
幻となった「なつほなみ」は、昨年9月25日~10月6日の一般公募に応募した1,745件のなかから、庁内の名称候補選考委員会の選考を経て、知事が決定したもの。新たな名称はこの応募のなかから選び直す運びだそうだ。今度こそ、ちゃんと下調べしてね?
