鈴木憲和農相は衆院選後初となった2月10日の閣議後定例会見で、「高市政権として、大変大きくて重い責任を背負わせていただいたと思っている」との見方を示した。自民党の歴史的大勝に終わった選挙結果を受けたもの。「勝って兜の緒を締めて、地に足をつけて前に向かって進んでいきたい」とも。
一問一答(2月10日、閣議後定例会見から抜粋)
記者 自民党は過去最多の議席を獲得する圧勝となりましたけれども、この結果について大臣、どのように受け止めておりますでしょうか。また、この衆院選を受けた結果、政権の基盤の安定度は増すわけですけれども、水田政策を始めとした農政の課題に取り組む上でどのような影響があるというふうにお考えでしょうか。
大臣 閣僚としては、この選挙結果についての評価は差し控えさせていただきますが、ただその上で申し上げますと、この選挙結果を受けまして、やはり高市政権として、大変大きくて重い責任を背負わせていただいたというふうに思っております。国民の皆様からいただいた大きいこの期待と、そして、政権にとってはこの国の舵取りをするという本当に大きい、重い責任をしっかりと果たしていけるように、我々、勝って兜の緒を締めて、地に足をつけて前に向かって進んでいきたい、このように考えています。
また、今後の水田政策の見直しを始めとした農政運営ということでありますけれども、まず、食料・農業・農村基本計画に基づきまして、水田政策の見直しについては、引き続き検討を進めさせていただいて、結果として、将来にわたって食料安全保障を確保するということが大切かというふうに思っております。このための農業の構造転換、しっかり進めさせていただきたいと思います。特に衆議院選の最中においても、私が公務で農林水産省に来た際には、内々の議論というのはさせていただいておりますので、その辺も含めてなるべく早く、まずは与党の方に水田政策の見直しの方向性をお示しができて、議論ができるような状態というのを整えていきたいというふうに思っております。また、日本の農林水産行政の戦略本部における議論も進めさせていただいておりますので、こちらにおいても食料の安定供給と食の分野で稼げる日本、これを実現をしてまいりたいというふうに考えております。
記者 今のお答えで確認なのですけれども、水田政策の見直しに関連して、この衆議院選の結果を受けて、見直しのスケジュールみたいなものを加速させていくような環境は整ったというふうにお考えなのでしょうか。
大臣 今までどおりこれはなるべく早く、生産者の皆さん、これは気が早いですけれども、来年の作付けにどういう方向になるかというのが大変重要な要素となりますから、なるべく早くそういった判断の材料に資するように、お示しをできるように努力をさせていただきたいと思います。衆議院選の結果いかんというよりは、生産現場の皆さんのことを考えて努力をさせていただきたいというふうに思います。
記者 食料自給率についてお伺いします。高市首相は今回の衆院選の応援演説の中で、食料安全保障について触れて「食料自給率はもう100%目指す。そしてどんどん海外にも輸出をする。」と発言されました。昨年の参院本会議でも同様の発言ございましたが、この点について実際に達成できるのか、また、達成するにはどのような道筋をつけていくのか、お考えをお聞かせください。
大臣 高市総理のこれは京都ですかね、街頭演説の内容を私も文字ベースで読ませていただきましたが、全てその状況というのも把握をしているわけではありませんが、総理は以前から食料自給率100%を達成をするためには、これ国会答弁で申し上げていると思いますが、現在の約3倍の農地が必要であるなど課題が多いということをおっしゃった上で、まずは2030年度に45%とする目標を設定をし、最終的には100%を目指していきたいという強い思いを示されているというふうに承知をしております。農林水産省といたしましても食料自給率、これは向上させていく必要があるというふうに考えております。まずは、(食料・農業・農村)基本計画で設定をした、5年後の令和12年度(2030)にカロリーベース45%とする目標の達成に向けて、施策を今後講じていきます。また、基本計画では、私自身もう一つ重要な指標と考えております生産額ベースの食料自給率というのもありまして、これが令和12年度(2030)に69%とする目標があります。こうした目標に向けて様々な施策を展開するとともに、輸出の拡大、これもかなり大事でありますから、輸出の拡大も含めて、将来の目標として食料自給率100%というものがあろうかというふうに考えております。
記者 最終的にというのはいつ頃目途というのはあるのでしょうか。
大臣 これは前に向かって頑張らせていただく、このことに尽きるかというふうに思います。
記者 100%を目指すのは目指していくということで。
大臣 できる限り高い方がいいということは、もうこれは誰しもがそう思うと思いますので、その姿勢は変わりません。
記者 食料品の消費減税についてお尋ねします。高市首相、引き続き検討に意欲を示されているかと思いますが、実際実現すると農業者にとっては経営や事務面での負担も大きいかと思いますが、農水省としては影響についてどのように考えていらっしゃるかということと、対応策についてもお考えがあればお聞かせください。
大臣 食料品をめぐる消費税の減税については、与党の公約にもあるとおり、今後、国民会議を中心に検討が行われていくものと認識をしております。ですので、現時点でその影響についてコメントをするということは難しいというふうに考えておりますが、大事なことは、この消費税については我々が所管している農林漁業者の皆さん、そして食品事業者の皆さん、また流通や小売、また外食の皆さん、様々な皆さんに当然プラス・マイナス含めて影響が少なからずあるというのはもう間違いないというふうに思いますので、私自身もそれぞれの皆さんから色々なご意見を伺っているところでありますが、そうしたご意見をしっかりまずは伺いながら、どのようなことが制度上いいのかということも含めて我々としてしっかりと考え方をまとめて、この国民会議、今後議論するのであれば、そうした場でも我々として寄与させていただきたいというふうに思います。
記者 今後議論していく中でマイナス面というものが出てくるような想定があった場合というのは、何か対応策を取りたいとか、そういうお考えはありますでしょうか。
大臣 今の時点でプラス・マイナス、様々なご意見があります。ですので、そのご意見の中には、制度設計いかんによっては様々な影響があるという話でありますから、これはどのような制度でやっていくのか、そしてどういうプロセスで説明をしていって、皆さんがなるべくマイナスがないような形で、本来のこの食料品の消費税を減税をするということについてのプラスの効果が、でき得る限り発揮できるような制度設計と議論が大事だというふうに思いますから、しっかりとそこに向けて我々は取り組んでいきたいというふうに思います。
記者 備蓄米について伺いたいのですけれども、大量放出によって本来あるべき量よりはずっと少ない状態になっているわけですよね。これをどんなふうに、いつから買入れられるのかなと。再三、大臣は米の価格には言及しないとおっしゃっておられて、そういう意味からいくと、計画的に毎月いくらとか買い始めるとかいうのが、省内にもそういう案を検討し始めておられるように思うのですけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
大臣 備蓄米の買戻しのお話だと思うのですけれども、買入れと買戻しと2つパターンありまして、買入れというのは要するに今年産の備蓄米を生産いただくということと、もう一つは市場から買い戻すということの2つがあると思います。買入れについては今年21万t、これを買入れをすることと基本的にはなろうかと思いますので、然るべきタイミングで公告をさせていただいて、粛々と買入れをさせていただくということになろうかと思います。また、ご質問のあった買戻しについては、今後の需給状況等を見定めた上でさせていただくということになりますが、何しろ政府備蓄米については、量が足りていれば売り渡す、量が足りていなければ売り渡さないという考え方に沿って今後運用をするわけなのですが、買戻しのやり方についてもまさに需給状況を見ながら、総合的に我々で判断をさせていただきたいというふうに思います。
記者 需給状況は大臣再三、もう二度と米不足は起こさせないとおっしゃっておられて、それは頼もしいなと思って聞いているのですが、ただ、需給を間違えたわけですよね。それをどう正して、需給見通しが立つような仕組みになっているのかについては、ちょっと今まで聞いている限りでは、農水省からきちんとした説明があったような気がしないんですね。あれだけ断言されておられるので、どういうふうに需給を、供給の方はわりあい分かりやすいのだろうと思いますけれども、需要の方ご覧になるつもりなのか教えていただけたら。
大臣 この数年間の、米が実際に棚に並ばないという事態を招いた一番大きな要因というのは、我々が需要の見通しを考える際に、需要というのは基本的には人口減少もあるのですけれども、そういった要因で下がり続けているのだという、この前提に立っていたということです。まずこの固定概念を、これはなくすということはもう既にさせていただいております。そしてその上で、直近の消費の動向、また外食も含めて、これは後インバウンドも含めて様々な消費の形態がありますから、そうしたことをしっかりと精査をして需要の見通しを立てていくということで、要するに今までは下がる前提だったわけですから、もう今後そういう考え方では需要の見通しは作らないということであります。
記者 であれば、その備蓄米をどうするかについての需要見通しは、今の時点でも十分に見通せると思うので、需給を勘案しながら決めるというよりも、もう早く決められた方がいいのではないかなと思うのですが、いかがですか。
大臣 当然、備蓄米の買入れ、そして買戻し、様々な状況の下で行われるというふうに思いますから、どの状況であれば一番需給のバランス上影響がないのか、要するに国民の皆様に対して一番説明ができるのか、そういったことをよく考えて判断させていただきたいと思います。我々は食料の安定供給、これが全てですから。
記者 例えば作付面積を、これからもうそろそろ決めなきゃならない時期になっていて、当然、備蓄米の方針がそれに影響を与える可能性は十分にあると思うのですけれども、その作付面積を決める時期が近づいているということは考慮の対象になりますか。
大臣 様々なことを全て総合的に判断させていただきたいというふうに思っています。
記者 総合的にというのはちょっと官僚的だなと思うんですね。やっぱり例えばどういう条件で考えていくのだというようなことを、非常に大臣シャープな方なので、言っていただきたいなと思うのですけれどもね。
大臣 そこも含めて、私の方からは、総合的に判断するということをいつも申し上げさせていただいておりますし、これからもこの質問については総合的に判断するというふうに申し上げさせていただきたいと思います。
記者 今回の選挙、食料品の高騰対策も争点の一つだったと思います。高市内閣は既に自治体向けの重点支援地方交付金を拡充するという形で高騰対策、打っているわけですけれども、これが支持されたと考えているか。特にお米についてはまだ高い値段が続いていて、大臣は今までのように備蓄米を放出するのではなくて、推奨メニューにお米券を加えることで米価高騰対策をやっていくという、ある種新しい政策をとっていると思うのですけれども、これも有権者に支持されたと考えているかも含めて教えてください。
大臣 直接これについて私も街頭演説とか、もしくは私自身のSNSとか、様々なご意見をいただいているところであります。特にこの時期、重点支援(地方)交付金で自治体によってはクーポンが届いたり、年末にお米券が届いた自治体もあると思います。そうしたところからは、消費者からはよかったというようなお話をたくさんいただいているところでありますので、基本的には評価をいただいたというふうに思っております。ただ、もちろんこの度の対策で何か米価が下がるとかそういうことでは全くありませんので、買いづらいという皆さんが躊躇することなく、主食である食料品、特にお米を買えるようになるというのが大事かと思いますので、そうした意味では一定のご理解いただいているというふうに考えております。
記者 水田政策の見直しについてで、水田活用の直接支払交付金についてお伺いします。今回の見直しで水田に限らず、作物ごとの支援に変わると思うのですが、その中で財源が拡充しない場合、水田でこれまで生産して転作してこられた農家さんに対する単価が下がってしまうという心配する声等も農家からはあると思うのですが、今後与党内で議論する上で、大臣としてどのようにそのあたり課題認識されているかというところを教えてください。
大臣 今まさに私たち政務三役と事務方とで、昨日も内々で議論させていただいているところでありますので、詳細についてはまだこれからということでありますが、大事なことは、やはり我々の国は土地利用型のものについて生産性を向上させていくということが、一つ重要な指標かというふうに思っています。その上で全ての水田、また畑もフル活用して、生産性を向上して食料の供給力を上げていく。そのために現場の生産者の皆さんが、どうした施策であれば安心して、さらに頑張ろうというふうに思っていただけるかどうか、この観点をもって議論をして、早めに与党にお示しをさせていただいて、またご議論をいただいてというふうに思っております。
記者 ロジについてなのですが、従来6月の骨太だったり、概算要求で盛り込むという、その方針については変わりないという認識でよろしかったでしょうか。
大臣 基本的にはそういう方向で、なるべく早く努力をさせていただきたいと思います。この解散総選挙があったのでこれが遅れたということにはしないようにさせていただきたいと思います。
