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施策・政策

食糧部会委員、コスト指標に疑問の声

 農林水産省は3月23日、食料・農業・農村政策審議会の食糧部会に、「参考資料」として米のコスト指標(既報)を示した。これに対し委員からは、口々に疑問の声があがったものの、水準そのものに対する不満の声はほとんどあがらなかった。翌日の会見で質問があがったものの、鈴木憲和農相は「民間が決めたことを尊重する」として、静観する構えの表明に終始している。

 例えば業界外である山田貴夫委員(日清製粉㈱社長)は、コスト指標を「画期的な取組み」と評価しながらも「しかし現場でどう使われるか、全く見えない」との懸念を付け加えることを忘れなかった。

 生産側である小林涼委員(俳優、㈱AGRIKO代表)も「使われ方が問題」と指摘。当事者の一人だった藤間則和委員(《一社》全国農業協同組合中央会常務理事)は、「適切に活用されるよう繰り返し説明が必要」とするにとどめた。より具体的な懸念を表明したのは岩村有広委員(《一社》日本経済団体連合会常務)で、「政府による価格誘導の恐れ」を指摘している。
 唯一、コスト指標の水準そのものにコメントしたのは生産系の山嵜哲志委員(㈱ファームフレッシュヤマザキ取締役)。「見ての通り、あらゆるコストがどんどん上がっていくのだから、『再生産可能な水準』と言われても、それは決して持続的ではない」と不満を表明している。

 翌日の会見で記者からあがった質問は、「生産者にゲタを履かせているのではないかといった計算方法の批判が出ている。どう受け止めているか」というもの。鈴木農相の答(全文)は以下の通り。

 大臣 今回のコスト指標、これの作成方法の決定にあたりましては、生産・流通・販売の関係者に学識経験者も加わっていただき、各段階について真摯にご議論いただいたというふうに考えております。この中で、生産段階の生産費について、平均作付面積2.27haを含む1~3haの階層とするとの提案に対して、当該階層より生産費が低い、3ha以上の階層が流通量の7割を占める中で、疑問を呈する意見もあったとの報告は受けているところであります。コスト指標の作成は初めての試みでありまして、現時点で様々なご議論があるのは、当然であるというふうに考えております。各段階の皆様からいただいたご意見しっかり受け止めながら、まずは進めることが重要というふうに考えております。特に今後、このコスト指標は、これまで消費者の皆さんから見ても、一体全体コストというのはどのぐらいなのかというような見える化が中々できていなかったという課題に対しても答えることができるものであると思いますし、また同時に、取引の中においても参考にしていただきたいというふうに考えておりますので、当然これは生産者側と流通側とそれぞれのお立場というのがありますから、様々なご意見がある、時には対立をするご意見があるというのは当然だというふうに思いますので、これは、まずこうした形で一歩目を踏み出させていただいたのだというふうに思いますから、国としてはそれを尊重させていただきたいというふうに思っております。

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