国の審議会に「未定稿」状態で提出された資料によって、今国会への提出が予定されている食糧法(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律)改正案の「概要」が明らかになった。それによると、米に初めて導入される運びの民間備蓄で、「一定規模以上の民間事業者に対して、基準量以上の米穀の保有を義務づけ」と、思いのほか強制感を伴ったフレームを想定していることが判明している。
食糧法改正案の「概要」は、「多様化する流通実態の把握強化」「備蓄制度の見直し」「需要に応じた生産の促進」の3項からなり、これは従前から明らかになっていた方向性に肉づけしたものとはなっていない。総体の施行日に「公布から1年以内」の猶予期間を設けている点も想定の範囲内だ。
このうち「多様化する流通実態の把握強化」のなかで、届出業者の対象範囲拡大(加工・中食・外食業者を追加)は従来方針通り。規模ごと異なるものの、「国への定期的な在庫量、出荷・販売量等の報告を義務化」し、反すれば罰則を設ける点も同様だ。
ところが「備蓄制度の見直し」となると、若干トーンが違ってくる。政府備蓄米をすぐに放出できなかった反省を活かし、「生産量の減少による供給不足に加えて、需要量の増加等による供給不足にも備えて保有できるよう、備蓄の目的を見直し」は当然としても、問題は民間備蓄の書きぶりだ。「政府備蓄に加え、一定規模以上の民間事業者に対して、基準量以上の米穀の保有を義務づけ」と出てくる。
ただ全体の施行日に1年の猶予期間を設けているのに対し、前者の「目的見直し」は公布即施行、後者の「民間備蓄の創設」は〝2年間の〟猶予期間を設けており、民間業者への負担軽減をはかった恰好に見えなくもない。
これらに対し、食糧部会の委員からは、届出業者の拡大にせよ、民間備蓄の創設にせよ、口々に「民間業者の負担にならないよう」配慮や支援を求める声が相次いだ。

