東日本では3月半ば頃から、店頭価格にして税別5㎏3,000円を割る精米商品が散見できるようになった。損切り(原価割れ販売)あるいはスポット市場から調達した同一銘柄の安価玉と部分的に入れ替えることで「作り出された」商品なのだが、すぐに売れなくなってしまう。
例えば高値で仕入れた在庫が「50」あるとして、スポット市場から安価玉を「50」仕入れ、これらを合わせることで安値商品を作り出しても、売れるのは「50」だけ。仕入値の内訳こそ変化したものの、やはり「50」の在庫はいっこうに減らない。
こうしたジレンマが、どうやら西日本にも波及しつつあるようだ。全米工(全国米穀工業協同組合、東京都千代田区)が4月9日、大阪市内で開いた西日本情報交換会で明らかになったもの。
全米工は、加工原料を中心とした米穀販売業者の全国団体で、月に1~2回、同業者同士で玉を融通しあう席上取引会に先立ち、「情報交換会」を開催している。同じ米穀販売業者(卸売業者)の全国団体である全米販(全国米穀販売事業共済協同組合、東京都中央区)に比べて、比較的小規模な業者が多く、集荷業や生産業と兼業、あるいは近しい業者が多い。
茨城 5㎏4,000円近い米は棚に残ってる印象。先月は、何とかして5㎏2,000円台の米を作ろうとやっきになっていたが、それでももう売れなくなってきた。
千葉 早生(わせ)銘柄の作付が始まった。去年はそこそこワクワクしていたが、今年は「作らなくていいよ」の雰囲気が寂しい。備蓄米の買入(買戻し)、どうせなら(令和)7年産を買い入れてくれればいいのに。
滋賀 近隣では、関東産米を使っている人が多くなってきた印象。まだまだ原料在庫は減らない。
大阪A 先月の5㎏2,980円は注目を集めたものの、後が続かず、倉庫パンパンのまま。ともかく末端が売れない。備蓄米や外米に需要をもっていかれている。(令和)8年産の加工用米で相談しようにも、なかなか進まない。
兵庫 取引先の清酒メーカーに聞いた話だが、中東情勢の悪化は米袋だけでなく、瓶やラベルのインク調達にまで影響が及んでいるのだとか。
岡山 仕入値が高すぎて、需要を作ることが出来る商品にならない。農協からの売り込みが激しいが、全く値段が合わない(高すぎる)。酒のかけ米は、毎週のように値段(納品価格)が下がっていくが、品質はむしろ上げろと言われる。
熊本 5㎏2,000円台の米すら売れ残った話を聞く。消費量が確実に減っているのではないか。「コスト指標」を下値(下限価格)と捉える生産者が多い。すると当然、加工用米を作付けようとはしなくなる。
大阪B 単品銘柄で5㎏3,000円を割る精米商品は、3月までは西日本だと散見できる程度だったが、東日本には結構あったと聞く。4月に入って、西のバイヤーから3,000円割れ商品の提案を求められた。去年の出来秋以降これまでは「店頭価格を下げたくない」と突っぱねていたが、いよいよ過当競争に入ったのではないか。
