市場調査会社の㈱矢野経済研究所(東京都中野区)は7月25日、メディカル給食・在宅配食サービスの令和6年度(2024)市場規模を、前年度比+2.4%の2兆4,096億円と発表した。
同社の定義によると「メディカル給食・在宅配食サービス」市場とは、病院給食(病院、診療所)、高齢者施設給食(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、介護医療院)、在宅配食サービスの3分野の合計値。
令和6年度市場規模の内訳は以下の通り。
・病院給食(患者給食、職員給食)市場……病院数、病床数などの減少で微減傾向が続いている。
・高齢者施設給食(入所者給食、職員給食)市場……施設の新設がやや鈍化して、安定期入り。
・在宅配食サービス市場……コロナ禍で需要が急増したものの、昨今は原材料価格の高騰などの影響で値上げも行われ、成長が鈍化中。
それでも、「病院給食の減少分を高齢者施設給食と在宅配食サービスがカバーする形で市場規模全体は増加した」と分析している。
また同社は5年後、令和11年度(2029)の市場規模を、2兆5,122億円と予測する。病院給食市場の比率が低下する一方、高齢者施設給食市場と在宅配食サービス市場の比率が増加する見通し。「今後も病院の統合や閉鎖、診療所の無床化が進み、病院給食市場は伸び悩む」とみており、高齢者施設給食市場や在宅配食サービス市場は「引き続き拡大する」ものの、「食事費の自己負担化や人手不足などから、伸び率は低下傾向」を見込んでいる。
メディカル給食・在宅配食サービス国内市場規模の推移
