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7月の米生産者価格、ついに下落に転じるも高水準の60㎏21,450円

 農林水産省が8月29日に公表した「農業物価統計(令和2年基準)」の「農産物生産者価格調査」によると、うるち玄米の生産者価格が17か月ぶりで下落に転じ、7月現在の全国平均が60㎏21,450円に達した。前月比▲80円、前年同月比+8,620円にあたる。

 これは令和6年産米の数値。対して生産コストは、最新の統計でも令和5年産の60㎏15,948円。令和4年産から5年産にかけての上昇率+4.4%を乗じると、推定・令和6年産米生産コストは60㎏16,650円ということになる。これには人件費、つまり生産者の給与も含んでいる。令和6年産米の生産者価格60㎏21,450円との差額60㎏4,800円は、こう言っては何だが、「儲けすぎ」ということになる。もっともこれは、生産者が自ら値づけした結果ではなく、農協が一次集荷価格を引き上げたのが発端だ。今年、令和7年産米で農協は、令和6年産米を大きく上回る一次集荷価格を設定しつつある。明らかに「不当な(あるいは無用な)値上げ」と言える。

 生産者価格は、農業経営体が生産した農産物の税込販売価格から出荷・販売に要した税込経費を差し引いたもので、「生産者の出荷価格」と言える。調査都道府県別月平均価格(単純平均)に令和元年・令和2年(2020)の該当月の都道府県別出荷量をウエイトとした加重平均により算出している。調査対象は農産物出荷団体など(農協、出荷組合、集出荷業者またはその団体)。

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