農林水産省は9月9日、地域農業の将来の姿として市町村が策定する「地域計画の策定状況」(4月末時点)を公表した。47都道府県1,615市町村で策定予定およそ2万地区のうち、4月末現在で策定済み1万8,894地区を対象としたもの。それによると、地域計画策定済み地区内の農用地等面積422万2千haのうち、「将来の受け手が位置づけられていない農地」は31.7%にあたる133万9千haとなった。
ベスト10 | ||
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第1位 | 北海道 | 9.4% |
第2位 | 京 都 | 10.8% |
第3位 | 滋 賀 | 11.9% |
第4位 | 新 潟 | 18.4% |
第5位 | 長 崎 | 19.4% |
第6位 | 福 井 | 19.7% |
第7位 | 山 梨 | 23.5% |
第8位 | 宮 崎 | 23.6% |
第9位 | 兵 庫 | 24.7% |
第10位 | 石 川 | 26.9% |
ワースト10 | ||
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第1位 | 徳 島 | 73.5% |
第2位 | 香 川 | 71.9% |
第3位 | 広 島 | 66.7% |
第4位 | 岡 山 | 63.4% |
第5位 | 高 知 | 62.6% |
第6位 | 群 馬 | 62.0% |
第7位 | 和歌山 | 61.5% |
第8位 | 静 岡 | 59.0% |
第9位 | 埼 玉 | 56.8% |
第10位 | 千 葉 | 56.1% |
小泉進次郎農相はこの日の閣議後定例会見で、「将来の受け手が位置づけられていない農地」割合が「なかには7割、8割を超える地域もあるなど、大変厳しい状況」また「現在策定されている地域計画のなかには、地域での話し合いが十分にできず、現況の耕作者をそのまま位置づけているものも多く見られる」とした上で、「地域計画は一度作って終わりではなく、継続的に見直すものであり、ブラッシュアップを進めていただく必要がある」と指摘。「まずは地域で話し合いを進めていただくことを基本としているが、国としても、優良事例の横展開や担い手の確保、農地集約化への支援を通して、耕作者のいない農地が解消されるよう積極的に取り組んでいく」としている。
これまでのブロック別だけでなく都道府県別にも公表した理由を訊かれ、「ブロック別で溶け込ませては危機感が伝わらない。地域によっては見たくない数字かもしれない。毎年6万人の米農家が離農しており、今後5年間で55万人が25万人になってしまう。10年後には、地域によっては7割、8割の農地で担い手が見えていない、このことを関係者の皆さんと共有しなければ、何故その政策を行うのか、仮に政策の強度が上がったときになぜそこまでやるのか、の理解が十分に進まない。そうした思いから、都道府県別の公表を決めた」と応じている。
