小泉進次郎農相は10月17日の閣議後定例会見で、再び米価の下げ見通しを明らかにした。「例えばいつから安くなるとか、具体的に時期を特定することは難しい」としながらも、「新米について需要を上回る十分な供給が確保され、不足感を払拭したといえる新たな段階に入った」「スポット価格の状況などを見ていても、上げトレンドというよりもむしろ下げトレンド」「一部報道では農家の倉庫に入りきらない。早く捌いたほうがいいんじゃないかといった声が出ている一部地域もある」などをあげた上で、「状況をそのまま受け止めていただければ、マーケットの安定化、価格の安定に間違いなく繋がっていくと捉えるのが普通のことではないか」と指摘した。
一問一答(10月17日、閣議後定例会見から抜粋)
大臣 本日、私からは、米の消費拡大について、一点お知らせがあります。米の消費を世代別にみますと、50歳代、60歳代の中高年層の消費の減少が若年層に比べて大きくなっており、特に、20歳代は、70歳以上より年間10kgも多く食べているという分析があります。そこで、米をたくさん食べている若者世代にも、もちろん中高年の方々にも、そしてインバウンドで来日する方々にも、改めてご飯のおいしさに注目してもらい、日本の米の魅力を国内外に広げることを目的として、「おにぎりプロジェクト」を始めることにいたしました。これは、おにぎりを軸として、学生や企業などとコラボレーションを行い、SNS等を通じて、ごはん食の魅力を発信するプロジェクトで、具体的には、おにぎり関係者の取組の取材紹介、おにぎりの魅力を伝える動画コンテンツの配信のほか、旅するチームおにぎり企画というものも考えています。特に「旅するチームおにぎり企画」をご紹介しますと、このチームおにぎりマスコットが企業や学校などを巡っていき、それぞれのおにぎりを紹介していただきながら、ごはん食の応援メッセージを、リレー方式でSNSに発信していただく予定であります。旅の最初は、一般社団法人おにぎり協会さんです。本日、このチームおにぎりマスコットをお送りしますので、おにぎり協会さんがどのようなSNSをアップされるのか、また、このマスコットが次にどこに旅していくか、楽しみにしています。詳細は、事務方からプレスリリースがあるそうなので、お尋ねください。本日、私からは冒頭は以上です。
記者 お米について、一点お伺いさせてください。今回、生産量が増えたと、先週、大臣も発表されたかと思うのですが、米価に反映されるのは先、タイムラグがあるというふうにもおっしゃっていました。今日も米価格が発表される見通しだと思うのですけれども、改めて今後の見通しを教えてください。
大臣 今後、例えばいつから安くなるとか、こういった具体的に時期を特定するということは難しい状況ではあるのかなと思いますが、何度も申し上げているとおり、我々農林水産省としては、生産者の皆さんのご努力のおかげで、この新米について需要を上回る十分な供給が確保され、不足感を払拭したといえる新たな段階に入ったと考えています。ですので、今すぐにマーケットの状況が反映されるかといえば、取引をすでにして高い価格で買っているとか、いろいろありますから、直ちにということではないかもしれませんが、スポットの価格の状況などを見ていても、上げトレンドというよりもむしろ下げトレンド、こういった状況だと思いますし、最近の一部報道などを見ていても、むしろ農家さんの倉庫にも入りきらないと。こういったところも含めて、早く捌いたほうがいいんじゃないか、こういった声が出ている一部の地域などももうあります。そして、過去9年間で最大の新米の収穫量、作付面積、そして民間在庫、これも過去近年の中で最多。こういった状況をそのまま受け止めていただければ、やはりマーケットの安定化、そして価格の安定に間違いなく繋がっていくような、そんな生産量を出していただいたと捉えるのが普通のことではないでしょうか。なのでむしろ、これからの局面というのは、これだけの量を落ち着いてマーケットに受け止めていただくことで、マーケットの取引価格とか、そして店頭における小売の価格とかにどのような変化が出るのかということを、よく注視をしなければいけないというふうに思います。
(略)
記者 (10月)21日に臨時国会召集が決まりまして、新たな内閣の発足も間近に迫ってきました。大臣がこの5か月に残された成果と、課題が山積する米問題について、残りの数日間どのように向き合うかお聞かせください。
大臣 まだ残りの数日間か分かりませんから、最後の日まで、農林水産大臣としての職責を、全力で、農水省の職員と全うしたいと思います。
記者 成果についてはどのように。
大臣 それを語るのは、正式に、仮にこの後首班指名など、国会の本会議における議案なども確定をして、内閣のいつまでということが決まって、そしてこれは引き継ぐということが確定をした後にお話しすべきことだと思っているので、そこまでお待ちいただければと思います。