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「京式部」ほか11水稲品種を種苗法登録

 農林水産省は10月30日付官報に、種苗法に基づく登録新品種を掲載した(登録日も10月30日)。イネでは以下の11品種で、このうち「瑞穂の夢」「神龍錦」「ふじゆたか」「ZH6号」を除く7品種は、輸出先国の制限対象品種としても公示されている。

瑞穂の夢

 みずほのゆめ。宮城県石巻市の生産者、太田俊治氏が「ハツシモ」と「ササシグレ」を交配した中生の主食うるち品種。いわゆる高温耐性品種で、寿司米に向いている。

神龍錦

 しんりゅうにしき。㈱本田商店(兵庫県姫路市)が「山田錦」と「神力」を交配した晩生の酒造好適品種。すでに同名の日本酒を製造販売している。

山形飼糯138号

 やまがたしもち138ごう。山形県農業総合研究センター水田農業試験場が「関東飼糯254号(たちはやて)」と「山形糯116号」を交配した晩生のWCS(発酵粗飼料)専用品種。藁重が多く籾重が少ないため、明らかにWCSに向いている。

ふじゆたか

 ㈱神明育種研究所(埼玉県久喜市)が「夢いっぱい」と「ふくひびき」を交配した早生の主食うるち品種。神明に買収される前の㈱中島が開発した。「多収で良食味」が特徴。

コシヒカリ駿河sd1Gw
コシヒカリ駿河e1sd1

 育成者はイネ遺伝子解析の専門家である静岡大学の富田因則教授。「コシヒカリ駿河」シリーズは、イネが持つ特性の原因遺伝子を同定し、「超多収・大粒・早晩生」などの特徴を備えた〝スーパーコシヒカリ〟の開発をめざすもの(プロジェクトリーダー:幸福米穀㈱)。
 「コシヒカリ駿河sd1Gw」は、「コシヒカリsd1」と「コシヒカリ駿河Gw」を交配。
 「コシヒカリ駿河e1sd1」は、「コシヒカリ駿河e1」と「コシヒカリ駿河sd1」を交配。

ZH6号

 ㈱ゼンショーホールディングス(東京都港区)が「7260」と「D80-1」を交配した晩生の主食うるち品種。

やまだわら環1号

 関東IL24号。農研機構の次世代作物開発研究センターが「やまだわら」と「lcd-kmt2(コシヒカリ環1号)」の交配種に「やまだわら」を2回戻し交配した種に、さらに「やまだわら」を2回戻し交配した中生の主食うるち品種。

ふくひびき環1号

 奥羽IL1号。農研機構の東北農業研究センター大仙研究拠点が「lcd-kmt2(コシヒカリ環1号)」に「ふくひびき」を3回戻し交配した種と「ふくひびき」を交配した早生の主食うるち品種。

えみのあき環1号

 奥羽IL3号。農研機構の東北農業研究センター大仙研究拠点が「lcd-kmt2(コシヒカリ環1号)」に「えみのあき」を3回戻し交配した種に、さらに「えみのあき」を2回戻し交配した中生の主食うるち品種。

京式部

 きょうしきぶ。北陸246号。農研機構の中央農業研究センター北陸研究拠点・作物開発研究領域と、京都府農林水産技術センター農林センターが共同開発した。「北陸200号(みずほの輝き)」と「北陸182号」を交配した早生の主食うるち品種。高温耐性を備え、倒伏に強い。食味の特徴は「香りが良く、白く備えツヤがあり、甘みがある」。

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