10月の「カレーライス物価」が2か月連続で上昇、過去最高値を更新した。
帝国データバンクが12月10日に公表した今年10月の「カレーライス物価」は1食451円(前月比+13円)となった。「水道光熱費」以外の全て(米、肉・野菜類、ルー)が情報したため。前年同月比プラス記録を29か月連続に延ばし、+80円(+21.6%)と、16か月連続で上昇幅2ケタ台となった。カレーライス物価は再び大幅な上昇に転じ、「今夏に続く『第二次カレーショック』の兆しがみられる」としている。

「カレーライス物価」は、総務省の小売物価統計調査結果から、カレーの調理に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)にまとめた「カレーライス1食あたりのトータルコスト」を示すもの。内訳として「カレー具材(肉・野菜)」217円(前月比+4円)は、タマネギのほかジャガイモも夏場の高温・少雨による不作で値上がり、円安とアメリカ産牛肉の値上がりが影響した。特筆すべきは「ごはん(ライス)」で、203円(+10円)は過去最高値の更新にあたる。市販ルーや食用油の値上げが店頭価格に波及し、「カレールー」28円(+1円)も上昇。炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」4円(±0円)のみ変動がなかった。
このカレーライス物価を基に、令和2年(2020)平均を100とした帝国データバンク独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、10月は「164.7」。前月比+4.7%で、指数の160台が2か月連続したのは今年5~6月以来、4か月ぶり。前年同月比は+21.5%で、前年同月比プラス記録を29か月連続に伸ばし、伸び率は5か月ぶりに拡大している。
総務省の小売物価統計は、毎月1回、全国都市別の公表が基本だが、その約1週間前に、東京都区部のみ先行して公表される。11月の小売物価統計(東京都区部のみ)はすでに公表されている(既報)ことから、帝国データバンクは11月の「カレーライス物価」を予想している。それによると「1食あたり最高で460円台に到達するとみられる」とした。しかも10月に続き2か月連続で最高値を更新する見通し。米と野菜が引き続き高値推移の見通しとなっていることから、「今冬は食卓における物価高がより強く反映される」とも。その上で今後のカレーライス物価を「今秋まで続いた430円台の推移から一転し、最高値を更新する局面が続く『第二次カレーショック』が本格化する」と予想している。
