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試験研究

Jクレに新たな付加価値、中干延長は水田の生物多様性に悪影響与えない

 カーボンクレジット創出販売事業を展開するGreen Carbon㈱(東京都港区)はこのほど、水田から発生するメタンを抑える栽培手法「中干し期間の延長」が生物多様性に及ぼす影響を、可視化することに成功したと発表した。今年6月から大阪ガス㈱(大阪府大阪市)と連携して調査していた(既報)もので、この調査結果に基づく付加価値は、来年発行予定のJ-クレジットに付加する運び。

 調査では、Green Carbonが管理する中干し期間延長を行う4県の水田を対象に、圃場から中干し実施前と中干し延長後の水を採取。トンボやカエルといった水田で生息生物の環境DNA(微量な遺伝子情報)を中干し前と延長日中干し後とで比較分析することで、生物多様性への影響を評価した。21県の圃場を対象に調査を開始したもので現在、他県の圃場でも評価している段階だ。
 J-クレジット「水田の中干し期間延長」によるメタン排出量の削減は、令和5年(2023)に方法論として承認されて以降、扱い量が増加しており、今後J-クレジット発行全体の約3~4割まで増加が見込まれているという。今回の調査結果によって、「中干し延長」という方法論が、周辺環境の生物多様性に悪影響を与えないことが証明されたことになる。これにより、メタン排出量削減だけでなく、水田J-クレジットの付加価値を高める結果となった。

 Green Carbonでは今後、実証範囲を拡大し、調査内容を詳細化することで、「より高品質なクレジット創出」をめざす。また生物多様性調査を実施する農家の副収入向上にも繋げる仕組み構築していくとしている。

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