【㈱帝国データバンク発】兵庫の穀粉類製造販売業者である五百城ニュートリイ㈱(姫路市、五百城一博代表)が1月31日付で事業を停止、事後処理を弁護士に一任していたことが判明した。自己破産を申請する意向。資本金3,100万円、負債は約3億円。
同社は大正11年(1922)8月創業、昭和22年(1947)6月法人改組の老舗穀粉メーカー。和菓子の原材料となる米粉やもち粉など穀粉類の製造販売を手がけていた。スタンプミル方式(杵搗き製法)を採用するなど伝統的な技術にこだわり、品質には高い評価を得て、精粉問屋や銘菓店、和菓子・洋菓子メーカーなどに販路を構築。平成17年(2005)3月期には年売上高およそ6億円を計上していた。
しかし、主要得意先だった銘菓店において業容縮小や廃業を余儀なくされ、売上は減少傾向で推移。さらに品質へのこだわりから原材料の仕入価格が高く、上昇分を販売価格へ転嫁したことで、価格を重視する得意先からの受注が奮わず、採算確保に苦慮する状態が続いていた。借入負担も重荷となるなか、近年は金融機関から返済猶予の支援を受けながら経営改善に取り組んでいたものの、令和6年(2024)3月期の年売上高は1億30百万円にとどまり、赤字が継続。事業再建の見通しが立たず、資金繰りが逼迫したことで、事業の継続を断念した。
兵庫の米粉製販業者が破産へ、負債3億円
