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令和5年産の1等米比率ワーストワン60.9%で着地

 農林水産省の発表によると、令和5年産の1等米比率が、過去最低を記録して着地したことが分かった。農林水産省が昨年12月27日付で公表した令和5年産米の農産物検査結果(確定値)で明らかになったもの。
 それによると、令和5年産水稲うるち玄米の検査数量は前年比▲10万6,184t(▲2.3%)の441万6,854tで、過去20年で最低を記録した。ちなみに過去最低は平成15年産の393万6,238tだが、当時の水稲収穫量は777万9,000tもあったため、716万5,000tしか穫れなかった令和5年産のほうが、より深刻であると言える。
 当初から猛暑と渇水による高温障害が指摘されていた令和5年産の1等米比率は、最終的に60.9%で着地。それまでの過去最低だった平成22年産の62.0%をアッサリ抜き去り、文句なく過去最低を更新した。

 農産物検査は、主に整粒歩合を確認するもので、必ずしも品質を確認するものではなく、安全性に関する項目も含まれていない。したがって「1等」とは良品質を指すのではなく、主に整粒歩合の高さ、それも「70%以上」を示すものに過ぎない。実際は選別によって「整粒歩合ほぼ100%」の米が流通するため、農産物検査によって2等以下に「格付」された米も、最終製品としては区別されない。ただし歩留まりは低下する。
 だが最終的に毎年6割強という高い受検率を誇っているのは、受検によって産地・品種銘柄名の表示を担保できるためだ。ちなみに令和6年産米の受検率66.8%。他の年産と比べて遜色のない割合となっている。

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