帝国データバンク独自の物価指標である「カレーライス物価」と「カレーライス物価指数」の上昇が止まらない。この主な要因として、「足元の米価高騰による影響が大きい」と指摘している。
帝国データバンクが1月10日に公表した昨年11月の「カレーライス物価」は1食377円(前月比+6円)で、比較可能な平成27年(2015)以降の10年間で8か月連続の最高値更新となった。また300円台は令和5年(2023)8月以降、1年4か月連続。
「カレーライス物価」は、総務省の小売物価統計調査結果から、カレーの調理に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)にまとめた「カレーライス1食あたりのトータルコスト」を示すもの。11月の「カレーライス物価」の内訳をみると、最も費用が高いのが全体の約5割を占める「カレー具材(肉・野菜)」で、前年同月比+5円の200円だった。輸入牛肉の価格は円安を背景に上昇が続いたものの、ジャガイモ・ニンジン・タマネギ(野菜類)の価格で大幅な値下がりが続き、4か月連続で前月を下回った。
他方、「ごはん(ライス)」価格149円は、前年同月比+57円、前月比+7円にあたり、過去10年で最高値を更新した。
このカレーライス物価を基に、令和2年(2020)平均を100とした帝国データバンク独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、11月は「137.8」。5年間で4割にせまる上昇率となった。前年同月比では+19.6%で、1年6か月連続の上昇にあたる。


総務省の小売物価統計は、毎月1回、全国都市別の公表が基本だが、その約1週間前に、東京都区部のみ先行して公表される。12月の小売物価統計(東京都区部のみ)はすでに公表されている(既報)ことから、帝国データバンクは12月の「カレーライス物価」を予想している。それによると、「野菜類は、全般的に価格が落ち着きつつあるものの、カレー具材は5か月ぶりに前月を上回る可能性がある。米価は令和6年産を中心に店頭価格ベースで値上がりに衰えが見られず、過去10年で初となる1食150円に到達する可能性がある」と指摘した。