【帝国データバンク】1月24日公表のレポートによると、米価高騰を背景に「恵方巻」の価格が値上がりしている一方、高価格帯と低価格帯の二極化傾向も進行していることが分かった。
それによると、令和7年(2025)節分シーズンの一般的な恵方巻の平均価格は1,094円(前年比+14.2%)、海鮮恵方巻は1,944円(+12.4%)だった。

レポートのなかで帝国データバンクは、値上げ要因を「米をはじめ海産物や鶏卵の価格が上昇し、大幅な価格引き上げが相次いだ」と分析。他方、「使用する原材料を工夫するなどして手頃な価格帯の恵方巻では、価格据え置きや値下げといった動きもある」とした上で、「高価格帯と低価格帯の二極化がさらに進行するとみられる」とも。
また「予約制によるフードロス対策には、依然として課題も多い」として、以下の通り分析している。
――今シーズンも前年に引き続き、ほぼすべての企業で予約制が導入された。足元では食材の価格高騰が続き、食材廃棄コストの抑制を図る目的で、生産本数やメニュー数の絞り込み、完全予約制を導入する動きも聞かれる。


ただ、こうした動きは2,000円前後の中~高級価格の恵方巻で多く、1,000円以下の恵方巻では当日の店頭販売が占める割合も高い。恵方巻は当日の需要予測が難しく、日持ちしないという難しい特徴を抱えるなかで、「予約制」や「値引きシール」による当日売り切りといった努力が、小売業界・消費者ともに求められる。