農協の集荷数量が前年同期を下回っている一方、販売数量は前年同期を上回っている――「流通が目詰まりを起こしている」状況が続いている。このままいけば、「令和の米騒動」再びの可能性も否定できない。農林水産省が1月31日に公表した令和6年産米の集荷・契約・販売数量(昨年12月末現在)によるもの。
販売数量が前年同期を上回っている点は、「令和の米騒動」の反動による〝早喰い〟と考えれば説明がつく。しかし農協の集荷数量が前年同期を下回っている点は、説明がつかない。同じく農林水産省の統計によると、令和6年産米が前年産米よりも穫れているはずだからだ。
仮に農水省の統計が間違っていないとすれば、可能性としてあり得るのは2つ。
第1に、生産者、集荷業者、流通業者――流通のどこかで、誰かが抱え込んでいる。つまり、さらに値が上がるのを待っている説。
第2に、米穀流通の〝本流〟である「農協⇒卸⇒小売」というルート以外に流れている説だ。
どちらにせよ、「令和の米騒動」再びの可能性は高いと言えそうだ。
