コンビニチェーンを展開する㈱ファミリーマート(東京都港区)は3月4日、おむすびや弁当などの中食商品に貼る「値下げシール」を「涙目のキャラクターやメッセージの入ったデザイン」に変更する取組みを、3月11日から順次全国の店舗に拡大すると発表した。全国展開にあたり「涙目シール」のイラストやメッセージを、より大きく、分かりやすくし、東海地方(愛知・岐阜・三重・静岡の一部)の店舗から導入を開始する運び。同社の見込みによると、涙目シールに変更することで、年間で約3,000tの食品ロス削減効果があるという。また今回、チルド温度帯を除くおむすび・弁当・寿司など米飯全商品の消費期限を2時間延長。食品ロス削減を一層促進したい考え。
ファミマはもともと、商品包装の改良による商品のロングライフ化、発注精度の向上、「てまえどり」の継続実施など、食品ロス削減に努めてきた。令和3年(2021)7月からは、消費期限の迫ったおむすびや弁当などの中食商品に、バーコード付き値下げシールを貼って値下げ販売する「ファミマのエコ割」を導入している。
この値下げシールのデザインを、「涙目の表情をしたおむすびのイラストと『たすけてください』のメッセージを掲載」したものに変更することで、値下げ商品の販売状況にどのような変化が生じるか、昨年10月30日~11月26日、東京都神奈川の一部店舗で実証実験を実施した。
実験の結果、値下げ商品の購入率が5ポイント向上。実験中に値下げ率を拡大したわけではないから、「単に価格が安いから購入した」とは言えない結果となった。事実、実験中の購入者に対するヒアリングでも、「涙目で思わず助けたくなるイラストだったので手に取った」「食品ロス削減に関心があるので賛同して購入した」といった声があがっている。
